トヨタ、王者ロバンペラが表彰台争いを展開「最終日も戦い続ける」とラトバラ代表/WRCスウェーデン

 2月11日(土)、2023年WRC世界ラリー選手権第2戦『ラリー・スウェーデン』の競技3日目が、ウメオのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4番手、チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合5番手につけた。また、前日のデイリタイアを経てデイ3で再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合40番手につけている。

 スウェーデン北部最大の都市ウメオを拠点に、9日(木)から行われているラリー・スウェーデン。大会3日目のデイ3は、ウメオの北側と東側で7本のステージ、合計距離は126.22kmと4日間で最長の一日となった。

 ステージ周辺は10日(金)に続き好天に恵まれものの、オープニングのSS9が行われた早朝は気温マイナス9度前後とかなりの冷え込みに。そんななかデイ2で総合5番手につけたロバンペラはSS9、SS10と2ステージ連続で2番手タイムを記録。SS10でエバンスを抜き総合4番手にポジションを上げると、午前中最後のSS11ではベストタイムを刻み、上位の選手との差を縮める。

 ディフェンディングチャンピオンは好調を維持し、SS12でふたたびベストタイムを記録。続くSS13ではスピンを喫するもロスを最小限にとどめ総合3番手に順位を上げた。
 
 しかし、タイヤが厳しくなった終盤のSS14では、追い上げてきたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に総合タイムで並ばれ、デイ3の最終ステージとなったSS15では逆転を許してしまう。それでも総合3番手ヌービルとの差は3.8秒と、明日の最終日で表彰台を狙える位置につけている。

エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

 総合4番手でデイ3をスタートしたエバンスは、一日を通してクルマに自信を持つことができず、SS12ではスピンを喫する場面も。タイムを失ったエバンスは総合6番手に後退。最終的にはロバンペラから30.2秒遅れの総合5番手でデイ3を終えることとなった。

 デイ2のSS4で今季初のベストタイムを記録するも、その後のアクシデントでラジエーターにダメージを負いデイリタイアとなった勝田は、チームによって修理されたクルマでデイ3に再出走した。通常、雪道では不利となる出走順1番手で全ステージを走行した勝田は、SS11ではトップと2.5秒差の5番手タイム、SS15でも3番手タイムを記録するなど、いくつかのステージで好走を見せている。

「今回のスウェーデン最長の一日は、かなり厳しかったと言わざるを得ない」とヤリ-マティ・ラトバラ代表はデイ3を振りかえった。

「カッレ(・ロバンペラ)は午前中、表彰台争いに加わるべく非常にいい戦いをしていた。しかし、午後になるとタイヤの摩耗が激しくなり、それはつまりスノーラリーではスタッドを失うということだが、とくに一日の最後の2本のステージでその影響が出てしまったようだ」

「ヌービルに対抗しようとカッレはかなり頑張っていたが、彼の方がタイヤを酷使していたようでタイムを失ってしまった。それでも、タイム差はまだ小さいので明日の最終日も戦い続けるよ」

 12日(日)のデイ4は、ウメオの北側エリアで全長26.48kmの新ステージ“バスタービック”をSS16、SS17として2本連続で走行した後、最終ステージとしてSS15の再送ステージである最終SS18“ウメオ2”が行われる。同ステージは、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”だ。3本のSSの合計距離は63.04km、リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は223.98kmとなっている。

WRCラリー・スウェーデンで使用されているピレリのスタッドタイヤ(スパイクタイヤ)『ピレリ・ソットゼロ』
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第2戦ラリー・スウェーデン

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