住宅ローンの固定金利、北陸の金融機関で上昇 福井銀行、北國銀行、北陸銀行、福邦銀行、福井信用金庫の数字は

 福井県内に本支店を置く地域金融機関で、2月に入り住宅ローンの固定金利を引き上げる動きが出てきた。福井銀行(本店福井市)と福井信用金庫(同)は各固定期間の基準金利を一律0.1%引き上げ、北國銀行(石川県金沢市)も0.2%上げた。日銀が昨年12月に長期金利の上限を引き上げる事実上の利上げに踏み切り、市場金利が上昇したため。他の金融機関で追随する動きもある。

 各金融機関は住宅ローンの固定金利型として主に2年、3年、5年、10年のメニューを用意しており、各固定期間の基準金利から銀行との取引内容などに応じて引き下げる優遇金利を設定している。ほかに短期金利に連動する変動型もあるが、県内は固定金利型が主流となっている。

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 福井銀は2月1日から、2年固定の基準金利を年2.4%から2.5%に引き上げるなど、一律0.1%引き上げた。1日以降に初回の固定期間が終わり更新を迎える顧客から適用され、例えば1千万円の住宅ローンを組んでいる場合、更新後は毎月の返済額が300~400円上がるという。

 ただ、新規借入時の初回固定期間の最優遇金利は据え置き、2年固定は北陸3県の地銀で最も低い年0.3%を維持した。福井銀の担当者は「顧客に寄り添う対応として、新規客の入り口の金利は上げていない。更新を迎える顧客も優遇金利の適用条件が合えば引き下がる場合もあり、今後も利用しやすい商品設計を考えていく」と話す。

 福井信金も6日から各固定期間の基準金利を一律0.1%引き上げた。ただ、新規借り入れの最優遇金利は3月末まで従来金利を据え置き、「4月以降は状況を見て判断する」(担当者)方針。初回固定期間を終えて更新を迎える顧客は、4月期限到来分から引き上げ金利を適用する。

 北國銀は各固定金利の最優遇金利を引き上げ、2年固定は0.35%から0.55%とし、2016年8月以降で最も高い水準となった。

 このほか、福邦銀行(福井市)は「金利引き上げについては検討中だが、現時点で時期は未定」。北陸銀行(富山県富山市)は2021年7月に各固定金利を0.05%引き上げており、「常に市場金利などを総合的に勘案して検討している」とした。

 三菱UFJ銀行などの大手銀行は1月に軒並み固定型の金利を上昇させており、今後の日銀の金融政策によって上昇傾向が続く可能性もある。県内金融機関の関係者は「福井は全国の中でも住宅ローンの金利水準が低く、住宅ローン減税もあり、現時点で住宅取得者への影響はそれほど大きくはない」と話した。

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