特殊詐欺対策に孫のアイデア 横浜市立小で警察が特別授業

おれおれ詐欺の寸劇を演じる戸塚署員と担任の教諭=3日午前、横浜市立南舞岡小

 おじいちゃん、おばあちゃんだまされないで-。孫世代への啓発によって高齢者の特殊詐欺被害を防止しようと、神奈川県警戸塚署は管内の小学校で特別授業を始めた。児童に対して特殊詐欺の現状を伝えることで、児童自身がその対策について考えるとともに、祖父母に対して注意喚起をしてもらい被害を減らす狙いだ。

 横浜市立南舞岡小(同市戸塚区)では3日、3年生の児童約30人が署員による特別授業を受けた。息子をかたるおれおれ詐欺で高齢者が100万円をだまし取られるという寸劇を署員らが披露。同区内での被害額などを解説した。児童らは「まさか自分が被害に遭うとは思っていなかった」という高齢者の声などを学び、被害を防ぐためのアイデアを考えた。

 授業を受けた磯川爽良さん(9)は、「いろんな人がおれおれ詐欺に遭い、お金を取られて悲しい思いをしている。もう少しいろんな対策の工夫ができる。自分からお年寄りを助けたい」と話した。

 7日には、担任教諭による授業が行われ、児童らが被害防止のアイデアを発表し合った。電話の際の合言葉を決めておくことや、息子と別の名前で相手を呼んで確かめるなどさまざまな案が出た。授業を見た署の担当者は「アイデアをぜひ家族に話してほしい」と呼びかけていた。

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