『パタカラプラス』DVDに 口腔機能訓練に歌やダンス 近藤診療部長「リハビリに近い」

DVDを持つ近藤さん=諫早市、むつみの家

 口腔(こうくう)機能訓練「パタカラ体操」に運動機能改善を目指してオリジナルの歌やダンスなどを加えた「パタカラプラス」を体験できるDVDが完成した。プロジェクト名でもあり、DVDを制作した団体「パタカラプラス」を総括するみさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家(長崎県諫早市小長井町)の近藤達郎診療部長(63)は「口腔内の問題を抱えながらリハビリを受けることが難しい人にとって、リハビリに近い意義を持つのではないかと期待している」と話す。
 パタカラ体操は、「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音していくことなどで口腔機能の維持、向上に有効とされている訓練。嚥下(えんげ)力が衰えた高齢者らの誤嚥(ごえん)を防ぐトレーニングとして広がってきた。
 一方、小児科医で「染色体障害児・者を支える会(バンビの会)」の会長でもある近藤さんによると、ダウン症など染色体異常の人も言語発達や嚥下、バランス機能に問題がある傾向が見られるという。DVDを制作した「パタカラプラス」は2020年に結成し、同会関係者や中学校教諭、ダンス指導者、音楽グループ、医療関係者らで構成。自宅などで楽しみながら歌ってダンスをすることで、口腔機能に限らず、運動機能を高める一助になればと、パタカラ体操に付加価値(プラス)を乗せたパタカラプラスの普及に取り組んでいる。

パタカラプラスDVDの一場面

 パタカラプラスはこれまでもユーチューブで公開していたが、DVD化を望む声を踏まえ制作した。オリジナル4曲を収録し、新たに作ったアニメなどに合わせて楽しめる。ストローなどを使った口腔体操も紹介。人工知能(AI)を活用し、発声がうまくできているか評価する独自アプリのQRコードも付いている。近藤さんは「言葉が出始める時期を迎えた子どもにも使えるのではないか。アプリは今後改良し、運動機能も評価できるようになれば」としている。
 1枚(全32分)1100円。購入は住所、名前、枚数を明記し、メールでnanairoproduction7716@gmail.comへ。

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