森林や街中で響く銃声や爆発音 ジョージアの内戦追うドキュメンタリー 「唯一、ゲオルギア」本編映像

2月17日より開催される「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」で日本で劇場初上映となる、オタール・イオセリアーニ監督によるドキュメンタリー映画「唯一、ゲオルギア」の、本編映像が公開された。

本編映像は、銃撃や爆発音が響きわたる、ジョージアの自然豊かな木や川、森林の映像からはじまる。映像は広大な敷地や街中などでの銃撃戦に切り替わり、戦車も登場。街中で行われる銃撃戦、建物に残る銃弾のあと、戦禍の残る街並みが映し出される。ナレーションにより、これらの映像は1991年に勃発したトビリシ内戦であることが説明される。そして、「この光景はロシア近隣国の日常でもある。大国の政治家が力と領土に固執した結果だ」のナレーションが流れ、ジョージアを中心とした世界地図が映しだされる。

「唯一、ゲオルギア」は、ソ連が崩壊に向かう政治的混迷の中で内戦が勃発したゲオルギア(ジョージア)を目の当たりにしたイオセリアーニ監督が、祖国がなくなるかもしれないという思いから製作した4時間におよぶドキュメンタリー大作。歴史、文化など過去を振り返り、(1994年当時の)現在を検証する。2023年現在の世界情勢とも通じる内容となっている。

オタール・イオセリアーニは、「月曜日に乾杯!」「皆さま、ごきげんよう」などで知られる、ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)生まれの映画監督。ジョージアで映画制作を行うものの上映禁止など制限を受け、故郷を離れてパリへと移り住んだ経歴をもつ。それでも映画を制作し続け、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどで数々の賞を受賞した。「オタール・イオセリアーニ映画祭」では、「唯一、ゲオルギア」のほか、全21本が上映される。

【上映情報】
オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~
2023年2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて劇場初公開を含む全監督作21本一挙上映
配給:ビターズ・エンド

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