2年ぶりの勝利を狙うマクラーレン。過去10年のF1車両遍歴【F1チーム別歴代マシンギャラリー】

 マクラーレン・レーシングは2月14日の日本時間2時より、2023年型F1マシン『MCL60』の発表会を実施する。ここでは、マクラーレンが2013年から2022年シーズンまでに走らせた過去10台のマシンとそれぞれのカラーリング変遷を振り返る。

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マクラーレンが2013年に投入した『MP4-28』

 
 前年の2012年に7勝を挙げたマクラーレンだったが、2013年は最高位が4位と、表彰台に上がることすら叶わなかった。この年はジェンソン・バトンとセルジオ・ペレスがステアリングを握ったが、ペレスはマクラーレン加入から1年でチームを離れることに。また、2007年から続いたボーダフォンとの関係も2013年をもって終了となった。

マクラーレンが2014年に投入した『MP4-29』

 
 組織面では、ロン・デニスがマクラーレン・グループのF1部門トップに復帰、またエリック・ブーリエがレーシング・ディレクターとして加入。2015年からのホンダパワーユニット搭載を発表し、2014年は『ホンダ待ち』でメルセデスPUを搭載。開幕戦ではバトンが2位、ケビン・マグヌッセンが3位と2台揃って表彰台を獲得。コンスタントに入賞を続けるも、表彰台獲得は開幕戦のみだった。

マクラーレンが2015年に投入した『MP4-30』

 
『マクラーレン・ホンダ』の復活ということで、開幕前から注目を集めた『MP4-30』。しかし、オフのテストからPUトラブルが頻発。シーズン中も苦戦を強いられ、入賞回数もフェルナンド・アロンソが2回、バトンが4回に留まった。

マクラーレンが2016年に投入した『MP4-31』

 
 ホンダにとって復帰2年目となった2016年は成績も改善が進んだ。優勝やポディウムには届かなかったが、入賞回数が増え、コンストラクターズランキング9位から6位に浮上。また、第16戦イタリアGPではアロンソがファステストラップを記録している。

マクラーレンが2017年に投入した『MCL32』

 
 マクラーレンとホンダのタッグ3年目となった2017年。前年には復調の兆しも見えたが、『MCL32』はマシントラブルによるリタイアも多く、ふたたびコンストラクターズ9位に後退。ホンダとの関係もこのシーズン限りとなった。なお、同年よりロン・デニスがチーム代表を離れたことで、シャシー名称が『MP4』から『MCL』に変更されている。

マクラーレンが2018年に投入した『MCL33』

 
 ルノーPU、パパイヤオレンジにブルーと、これまでのイメージから大きく変貌を遂げたマクラーレン。開幕から5戦は連続入賞を決めるも、以降はマシントラブルが頻発し失速。シーズンが終わってみれば優勝はおろか、表彰台獲得も叶わなかった。

マクラーレンが2019年に投入した『MCL34』

 
 カルロス・サインツ、ランド・ノリスにドライバーを一新して臨んだ2019年。第20戦ブラジルGPではサインツがマクラーレンにとって5年ぶりの3位表彰台を獲得。トップ3チームに次ぐ安定性と速さをみせ、コンストラクターズ4位にまで浮上。

マクラーレンが2020年に投入した『MCL35』

 
 2020年開幕戦となったオーストリアGPではノリスが3位、そして第8戦イタリアGPでサインツが2位に入るなど、幾度と優勝争いに食い込む走り見せた。フェラーリの失速もあり、コンストラクターズ3位に浮上。

マクラーレンが2021年に投入した『MCL35M』

 
 2021年シーズンより、メルセデスPUにスイッチ。第14戦イタリアGPではダニエル・リカルドが優勝、ノリスが2位を獲得。チームにとっては9年ぶりの美酒となった。コンストラクターズ争いでは、フェラーリが復調したこともあり、ランキング4位へと後退している。

マクラーレンが2022年に投入した『MCL36』

 
 技術レギュレーションの変革期を迎えた2022年。マクラーレンは『MCL36』を投入するも、表彰台はノリスの3位が1回に止まる。またリカルドの不調もあり、コンストラクターズは5位に後退。2023年シーズンに向け、リカルドとの契約を解除し、2021年FIA F2王者のオスカー・ピアストリの起用を発表している。

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