ドキュメンタリー映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』、岩井俊二、寺尾紗穂のコメント到着

原発避難地域に住む男性を約10年に渡り追い続けたドキュメンタリー映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』。 2月25日(土)の公開も間近に迫り、岩井俊二、寺尾紗穂からコメントが届いた。これまでに谷川俊太郎、元・内閣総理大臣の菅直人、坂本美雨、武田砂鉄からのコメントも届いている。

▼『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』予告編 YouTube

https://youtu.be/rtU84KZYNIY

推薦コメント

社会から棄てられたもの言わぬ者たちの世話をして生きる男。十年前に目撃した男の生き様は変わらず続いていた。彼の周りで亡くなった命、誕生した命。そのすべてが尊い。原発事故が何を奪ったのか、寡黙な映像は静かにその問いを僕の喉元に突きつける。

──岩井俊二(映画監督)

損得を超えたところで、捨てられかけた命の重さを問い、この社会がやるべきことを暗に示す。示し続ける。ナオトさんの足掛け10年に及ぶこれまでのブレない歩みは、アーティストが作品にすべてをこめて訴えるように、捨てられた生き物たちの命を全うさせることをもって社会に問いかける、きわめて息の長いデモンストレーションとも言える。

──寺尾紗穂(文筆家・音楽家)

この町、人、動物たち、ここにあった生き物たちの美しい営みは、置き去りにされてしまった、のではない。わたしたちが置き去りにしたのだ。どうすればいい。どんな答えも、完全な善でも悪でもない。だから考え続ける。

──坂本美雨(ミュージシャン)

ナオトさんの言う「ムカつくだっぺ」「ふざけんなって言いたくなる」にすっかり同調しながら見た。でも、その視線を借りている自分は、もしかしたら、ナオトさんの視線に入っている側なのかもしれない。そして、この戸惑いや危うさを感じるのが、実に久しぶりであるという情けなさを噛み締めておきたい。

──武田砂鉄(ライター)

感動しました、巨大な事実を小さな事実を通して長年個人的に追うことで、現実にひそむ真実が見えてきます。人間も他の生き物と同じ限られたいのちを生きていることを感じさせるドキュメントです。

──谷川俊太郎(詩人)

福島原発事故で、本当に日本の半分が、あるいは全部が壊滅してもおかしくない寸前だった。そのような非常に厳しい環境の中で動物の世話しながら暮らすナオトさんの勇気に感服し、動物たちや自然をけがしてしまった人間の罪深さを改めて感じた。

──菅直人(元・内閣総理大臣)

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