「オージーの血が騒ぐ」リカルドがフォードの施設を訪問し“Gen2”マスタングを味見/RSC

 マックス・フェルスタッペンやセルジオ・ペレスをサポートするべく、2023年は開発ドライバーとして“古巣”レッドブル・レーシング復帰を果たしたダニエル・リカルドが、2026年からフォードとの提携を発表したチームの動きに合わせ、新たな“パワーユニット・パートナー”の本拠地であるデトロイトを訪問。自身の地元でもあるオーストラリア大陸最高峰のツーリングカー・シリーズ、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに投入されていた“Gen2”規定『フォード・マスタング・スーパーカー』の初ドライブが実現した。

 今季よりオラクル・レッドブル・レーシングの一員となったリカルドだが、2月9日にフォードの施設であるミシガン州の“M1コンコース”に赴くと、同社CEOを務めるジム・ファーリーの歓迎を受け、高性能ロードカーから最新のBEVなど、あらゆるモデルを「サンプリングする」機会を得た。

 そのうち、純粋なレース車両として用意されたフォード・マスタング・スーパーカーは、この2023年シーズンより新車両規定“Gen3”を導入して新時代を迎えるRSCで、昨年まで現役で戦っていたモデルであり、今季からはステップアップ・カテゴリーのスーパー2で主力機として用いられるもの。

 この豪華“試乗会”の模様はフォード・パフォーマンスのSNSに投稿され、初のGen2マスタングで周回を重ねたリカルドも、その短い映像のなかで「まるでホームのようだった」と語った。

「この燦々と輝く太陽の下で、今日はほとんどすべてのフォードをドライブすることができたけど、なんだか僕のなかの『不良少年』が目を覚ますような感覚だったよ」と笑顔を見せた33歳のリカルド。

今季よりオラクル・レッドブル・レーシングの一員となったダニエル・リカルドが、同社最新の『マスタング・マッハE』などを試した
フォードの施設であるミシガン州の“M1コンコース”に赴くと、同社CEOを務めるジム・ファーリー(右)の歓迎を受けた
「僕のなかにはオージーの血が流れているし、少しだけ“V8スーパーカー”の魂も受け継いでいる。だから血が騒いだよ」とリカルド

■「すごい体験だったよ。血が騒いだ!」とドライブを楽しんだリカルド

「もちろん、僕のなかにはオージーの血が流れているし、少しだけ“V8スーパーカー”の魂も受け継いでいる。だから血が騒いだよ。家から遠く離れたここミシガンにいるにも関わらず、まるで家にいるかのような気分だった」

「とても楽しかった。今日、僕をここに招待してくれたフォードに心から感謝している。すごい体験だったよ! デトロイトへの最初の訪問を楽しんだし、また戻ってくるだろう。それは確かだ」

 F1キャリアを通じて9勝をマークしているリカルドは、これがフォードでの最初のラップになったものの、初めての“スーパーカー”というわけではなく、2019年には当時のケリー・レーシングが走らせていた『ニッサン・アルティマL33』を、エースを務めたリック・ケリーのレクチャーでドライブ。

 さらに2016年にはシリーズ“7冠”のジェイミー・ウインカップとともに、のちのV6直噴ターボ開発ベッドとしても活用された『ホールデン・コモドアVF“サンドマン”』のステアリングも握っている。

 そのリカルドの新たな僚友となったペレスや、キャリアを通じた好敵手でもあったフェルナンド・アロンソらも、昨季のアルバートパークでレッドブル・アンポル・レーシングのコモドアZBや、トーマス・ランドルがドライブするティックフォード製のカストロール・レーシング・マスタングを体験していた。

 今季2023年のRSCでも、F1の前座としてアルバートパークでの『ボールペール・メルボルン400』が予定され、初の試みとして4日間の会期中すべての日程でレースが実施される。

Gen3(上)とGen2のサイドビューを比較すると、規定によりディメンションが大きく変化しているのが一目瞭然
2019年には当時のケリー・レーシングが走らせていた『ニッサン・アルティマL33』を、エースを務めたリック・ケリーのレクチャーでドライブ
のちにV6直噴ターボ開発ベッドとしても活用された『ホールデン・コモドアVF“サンドマン”』のステアリングも握っている

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