「遺体なき強盗致死事件」と警察幹部 男女7人全員を逮捕 海田監禁・死体遺棄事件 広島県警

広島県海田町で去年、70代の男性が監禁され行方が分からなくなった事件で、警察は、監禁罪で起訴された男女7人全員を、強盗致死の疑いであらためて逮捕し、会見を開きました。

この事件は、去年6月、海田町に住む竹内義博さん(当時71)が事務所に監禁され、その後、行方が分からなくなったものです。

男女7人が監禁罪で逮捕・起訴されましたが、警察はこのうち4人を竹内さんの遺体を遺棄した疑いで先月、逮捕していました。(きょう付で起訴)

13日、男女7人の全員を、強盗致死の疑いであらためて逮捕しました。

強盗致死の疑いで逮捕されたのは、
▼住所不定 古物商 今泉俊太容疑者(32)※監禁罪・死体遺棄罪で起訴
▼住所不定 無職 伊藤圭亮容疑者(28)※監禁罪・死体遺棄罪で起訴
▼広島市南区 無職 門美帆子容疑者(44)※監禁罪で有罪確定・死体遺棄罪で起訴
▼広島市安佐南区 無職 倉本絵梨容疑者(37)※監禁罪・死体遺棄罪で起訴
▼東広島市 無職 藤本裕子容疑者(40)※監禁罪で有罪確定
▼府中町 無職 栗栖愛容疑者(37)※監禁罪で有罪確定
▼広島市西区 無職 槙本祐己容疑者(33)※監禁罪で有罪確定
の7人です。

発表によりますと、逮捕容疑は、次のとおりです。

7人は共謀。女5人が投資した金銭の返還名目で竹内さんから金銭を奪い取ろうと考え、去年6月1日午後7時40分ごろから午後8時10分ごろまでの間、広島市中区鉄砲町の駐車場から海田町の事務所にいたるまでの走行中の自動車内で今泉容疑者・伊藤容疑者・門容疑者が「金作れなきゃ帰さねえぞ」などと脅迫したうえ、今泉容疑者が竹内さんのからだを殴るなどの暴行を加えました。

続いて、午後8時10分ごろから午後8時45分までの間、海田町の事務所で今泉容疑者・門容疑者が「ここで死ぬか返すかはっきり決めろ」「あばら全部折ってくからな」などと脅迫したうえ、今泉容疑者が竹内さんを多数回殴るなどの暴行を加えました。

さらに、午後8時45分ごろから翌2日午後1時10分ごろまでの間、事務所で7人が一連の暴行・脅迫で反抗できない状態だった竹内さんに「1000万返せや」「死んで生命保険で払えば」などと脅迫して、事務所を物色したうえ、11万円を奪い取り、その際、こうした一連の暴行で竹内さんに出血を伴う傷害を負わせ、死亡させた疑いです。

調べに対し、
今泉容疑者は「手は出したがなぜ強盗になるかわからない」、
伊藤容疑者は「黙秘します」、
門容疑者は「黙秘します」、
倉本容疑者は「何も言いたくありません」、
藤本容疑者は「お金を受け取っただけで強取はしていません」、
栗栖容疑者は「私は関わっていません」、
槙本容疑者は「金を強取しようとは考えていませんでした」
とそれぞれ、否認や黙秘をしています。

警察は、これまで防犯カメラの精査など捜査をした結果、竹内さんが事務所にいた段階で死亡していたと判断したと説明していましたが、きょうの会見では竹内さんの遺体が未発見であることを明らかにし、「遺体なき強盗致死事件とみていただいて結構です」と述べました。

事件を巡っては、これまでの一連の裁判で、県内の女5人が竹内さんと金銭トラブルになり、「債権回収屋」として、今泉容疑者と伊藤容疑者に協力を依頼。7人で男性を監禁したあと、今泉容疑者と伊藤容疑者が車で竹内さんを連れ去ったという流れが明らかにされていました。

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