先人の偉業に感謝 南部梅林で供養祭

内中源蔵の頌徳碑前で営まれた供養祭(和歌山県みなべ町晩稲で)

 和歌山県みなべ町晩稲の南部梅林にある梅の先覚者・内中源蔵(1865~1946)の頌徳碑(しょうとくひ)前で11日、第58回供養祭が営まれた。梅林を運営する「紀州南部梅の里観梅協会」(田中康弘会長)の会員10人が参列し、日本一の梅産地になる基礎をつくった先人の偉業に感謝するとともに地域のさらなる発展を誓った。

 内中源蔵は、同町熊岡の扇山を開墾して梅の木を植え、品質を改良し、加工や販売の拡張に尽力。南部梅干しの名を全国に広めた。「一目百万、香り十里」といわれる南部梅林ができたのも内中源蔵のおかげといい、これらの遺徳をたたえるため、毎年2月11日に「梅祭り」を開いている。

 供養祭では、今年も地元にある光明寺の和田教学住職が読経し、会員が碑に向かって手を合わせた。

 田中会長(49)は式辞で、梅産業は現在、景気低迷や後継者不足などで苦しい状況であると述べ「一人一人が力を合わせて問題解決に取り組み、先人、先輩方が築いた日本一の座を発展させ、次の世代にたすきをつないでいかなければならない」と語った。

 コロナ禍で閉園していた南部梅林は、今年3年ぶりに開園しており、多くの人でにぎわっている。田中会長によると、梅の花は11日現在五分咲きで、18日ごろに満開を迎えそうだという。26日まで開園している。

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