県立校卒業式 基本マスク着用せず 県教委通知 各校が実情踏まえ判断

生徒がマスクを着用した昨春の岡山県立高卒業式。今春はマスクなしが基本となる=岡山南高

 岡山県教委は13日、高校や特別支援学校など県立の全69校に対し、今春の卒業式は児童生徒と教職員がマスクを着用しないことを基本に実施するように通知した。実際の対応は各校が実情を踏まえて判断できるとし、学校側にはマスクの着脱を強制しないことも要請した。

 文部科学省が10日にマスクなしを容認する方針を全国の都道府県教委に通知しており、これを踏まえた判断。主に小中学校を所管する岡山県内の市町村教委(政令指定都市の岡山市を除く)にも方針を伝えており、4年ぶりに「ノーマスク」の卒業式が広がりそうだ。

 岡山県教委の通知によると、マスクなしを基本とする一方、式後に受験を控えるケースを踏まえ、感染対策の徹底を改めて要請し、地域や学校の実情に合わせて各校が対応方針を決められる旨を記載。基礎疾患などで感染への不安がある児童生徒への配慮とともに、着用の有無による差別や偏見が起こらないよう指導することも求めた。

 文科省が方針で保護者には引き続きマスク着用を求めるとしたことから、会場で混乱が生じないよう学校側が各家庭に対し、丁寧な説明や情報発信を行うことも盛り込んだ。

 県教委保健体育課は「文科省の方針は卒業式の教育的意義を考えてのものだと思う。ただ、特別支援学校などさまざまな形の学校があり、各校が適切なやり方で実施できるよう進めたい」としている。

 岡山市教委は「対応は検討中」としている。

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