旅人へひとこと

長崎県の離島、壱岐に本格的なビールを造る醸造所あり。お魚料理との相性は抜群です。

「旨いビールを飲むためには、ビールに旅をさせるのではなく、ビールが醸される場所に自分が旅をすること」を信条に、全国のビール醸造所を訪ね歩く今回のビール紀行は、長崎県壱岐市の『アイランドブルワリー』のビールをご紹介します。

長崎県壱岐市は長崎県北部に位置する離島。WTOの地理的表示の産地指定を受けている麦焼酎、壱岐焼酎の発祥の地として有名です。

そんな壱岐に旧焼酎蔵がビール醸造所である『アイランドブルワリー』を立ち上げました。コンセプトは玄界灘の海の幸と合うビール。

「合う」と言っても、料理を邪魔せず淡麗な味わいのビールだけではなく、個性的で本格的なビール造りをされています。醸造所には併設のタップルームがあり、壱岐産の魚料理と新鮮なビールのペアリングを楽しめます。

どんなビールに、どんな料理、どんな風景やストーリーが待っているでしょうか。

長崎空港から飛行機で壱岐空港へ

壱岐へ行くには海路もありますが、今回は時短で空路を選択。長崎空港からプロペラ機で約30分で到着です。

空港からは一旦、郷ノ浦へバスで向かい、醸造所のある勝本地区へは、別のバスに乗り換えることになります。

郷ノ浦からバスに乗り換え約40分。ようやく醸造所最寄りのバス停「勝本入口」に到着。目の前は静かな勝本漁港が広がります。

『アイランドブルワリー』に到着！

空港に到着してから約2時間。ようやく『アイランドブルワリー』に到着です。事前情報がなければ、こんな場所に本格的なビール醸造所があるなんて、想像できません。醸造所兼タップルームは元の古い建物をリノベーションされているようで、古さと新しさが融合しています。

スタンディングのみの硬派なカウンター

タップルーム店内に入ると、スタンディングのみの硬派なカウンターがお出迎え。ここでビールに真剣に向き合えるというものです。

店内奥には近未来的な醸造設備がチラリ

店内奥には隣の醸造所のピカピカの設備を確認することができます。店内と近未来的な光景とのギャップがいいですね。

最初は「ゴールデンエール」を頂きます

魚に合うビールを最も意識したという「ゴールデンエール」を頂きます。柑橘系のホップの香り、モルト感は抑え目で、ホップによる酸味のアクセント。ご挨拶代わりに相応しい、爽やかでライトなゴールデンエールです。確かに、魚と合わせてみたい。

「YUZU-KOJI ALE」は強く心地よい酸味が素敵

「YUZU-KOJI ALE」は壱岐酸の柚子と焼酎造りに使用される白麹を使用した、こちらならではのオリジナルビール。柚子と白麹による酸味が強く心地よく効く秀逸なビールです。

看板的なフードの「島のフィッシュ＆イカリング」

こだわりの魚料理の看板はこちらの「島のフィッシュ＆イカリング」です。「フィッシュ＆チップス」ならぬ「イカリング」という点にこだわりを感じます。魚は勝本漁港で採れたカジキマグロで、季節によって変わるそうです。付属のタルタルソースもいいのですが、素材の本来の味わいを楽しむなら、壱岐の塩で頂きたい。確かに美味しいし、「YUZU-KOJI ALE」に合う。脂っこさを強い酸味が打ち消してくれくます。

ロースト香と豊潤な旨味が素晴らしい「ポーター」

一般的にいわゆる黒ビールは、好き嫌いが別れて人気がないのですが、こちらの「ポーター」は秀逸で必飲の一杯。豊かなロースト香にモルトの豊潤な香りが素晴らしい。香りに負けず、モルトの旨味がしっかり調和します。絶妙なバランスのポーターです。この味はこの場でしか味わえないかも。

変わり種の「PLUM BARLEY WINE」も良い

こちらでの最後の締めは、変わり種の「PLUM BARLEY WINE」。「BARLEY WINE」とは、名称のまんま麦のワイン。濃厚でハイアルコールのビアスタイルです。このスタイルをベースに、壱岐の旅館の南高梅を組み合わせています。フルボディの旨味の後に、南高梅と酵母による、突き刺すような強い酸味が効いてきます。酸味の強い梅酒を飲んでいるかのような、南高梅らしさを感じるバーレーワインに仕上がっています。

いかがでしたでしょうか。離島の小さな漁港にあるビール醸造所ながら、マニアもうなずく本格的なビールが揃っています。壱岐らしい海の幸とビールとのペアリング、是非現地で楽しんでもらいたいです。

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アイランドブルワリー

〒811-5501 長崎県壱岐市勝本町勝本浦249

＊この記事は2022年12月時点の情報を基に作成しています。

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ライター：rex-blue