福井市が60年連続で油揚げ購入額日本一、全国平均の2倍近く かにやカツレツ、ようかんもトップ

2022年11月に開かれた「あげフェス」の様子。福井県福井市の「油揚げ・がんもどき」の1世帯当たり購入額が60年連続日本一となった=同市のハピテラス

 2022年の1世帯当たりの「油揚げ・がんもどき」の購入額で、福井県福井市が60年連続日本一となったことが、総務省の家計調査に基づく県のまとめで分かった。購入額は21年から216円増の5448円で、全国平均2841円の2倍近くとなった。

 調査は都道府県庁所在地と政令指定都市の計52都市が対象で、福井市の結果を県が独自に集計した。「油揚げ・がんもどき」は、福井市が1963年の調査開始から首位を独占している。県ブランド課は「浄土真宗の報恩講料理などで伝統的に食べられてきた。今も手軽に一品が出来上がることなどが要因ではないか」としている。

⇒ファミマと共同開発、油揚げご飯のおむすびいかが 消費量日本一の福井県伝承の味を限定販売 

 福井市は、カツレツ(6年連続)、コロッケ(5年連続)、天ぷら・フライ(同)、かに(21年4位)、ようかん(21年2位)でも全国1位。同課は「共働き家庭が多く、買ってすぐ食卓に並べられる物が重宝されているのではないか」とみている。このほか、▽もち▽サトイモ▽乾物・海藻▽ふりかけ▽焼き鳥―などが全国2位で、福井の食卓事情がうかがえる。

 2月13日は、福井の「あぶらげ(油揚げ)文化」を発信しようと県内豆腐店などが企画しているイベント「あげフェス」の実行委員会のメンバーらが、60年連続日本一を記念し、県庁で杉本達治知事と懇談した。実行委員長の岸田和弘さんは「用途に合わせ、厚さや大きさなど多様な油揚げがあるのが福井の特徴。2024年春の北陸新幹線県内延伸に向け、ブランド力をさらに高めていきたい」と意気込んだ。

© 株式会社福井新聞社