歌手の西川貴教さん、福井県にルーツあり 若狭町を訪問「関係をつくるスタートに」

福井県若狭町の渡辺英朗町長や町職員との記念写真に応じる西川貴教さん(中央右)=2月13日、若狭町役場

 滋賀県出身の歌手、西川貴教さん(52)が2月13日、自身のルーツがあるという福井県若狭町を訪れ、渡辺英朗町長と懇談した。母方の祖母と曽祖父母が同町出身で、幼少期は毎夏来県していたという。「半分は若狭町、あるいは福井県でできている」と西川さん。「一緒に改めて関係をつくっていくスタートになれば」と意欲を見せた。

 西川さんや町によると、曽祖父は芸に対して熱い思いを持っていたそうで、当時娯楽施設が少なかった地元で、私財を投じて芝居や映画の興行に奔走。上中駅前に映画館を建てる発起人にもなった。また、祖父は小浜市出身という。

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 ルーツに迫るテレビ番組が昨年放送されたことを受け、渡辺町長直筆の手紙やお菓子を町職員が事務所に持ち込んだという。12日に敦賀市でコンサートが開かれたこともあり、「お礼を兼ねて」と西川さんの訪問が実現した。

 西川さんは幼少期、お盆は墓参りを兼ねて必ず若狭町を訪れ、海水浴などを楽しんだという。曽祖母がトウモロコシを「好きなだけとって食べていい」と蒸したりゆでたりしたといい、「ずっと頬張っていたのを昨日のことのように覚えている」と振り返った。

 西川さんは地方創生をテーマに、地元滋賀県で「イナズマロックフェス」を主催。住民が地域に誇りを持つきっかけをつくりたいとの思いが契機とし「地域で頑張っている人がいるから国が成り立つ。われわれが寄り添っていく中で、地方の問題を感じとってもらう機会になれば」と考えを述べた。

 その上で同町や福井県で「どういったことを求めているのか検証し、なにがしか提案するのが良いのかなと思う」と町の活性化に協力する意欲を示した。知見を利用しながら、地域の人々とさらに密接につながりを持ち「答え合わせができれば」と話した。

 渡辺町長は「滋賀と近く昔からの交流もある。若狭町に力を貸していただければありがたい」と述べた。

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