【サンデー美術館】No.297 「美術館は休館中(その2)」

▲美術館で使用している、正確無比なデジタル温湿度計

 先日、我が家(マンション)の配水管が凍結し一時的に断水となった。全52世帯のうち我が家だけ。不幸中の幸い(?)と、とらえるべきなのだろうか。

 不幸中の幸いと言えば、美術館屋上の空調機器用配水管の一つが凍結し、破裂した。開館44年目にして初めてである。とはいえ、そもそも、その空調機器の改修工事のために休館し、空調を停止していたのである。

 巡り合わせの妙に感謝しつつ告白すると、こんな時期に空調が止まっていると、当然のように寒い。現在、私は長袖ヒートテックシャツに、薄手のセーターを着こみ、ダウンジャケットの薄手と厚手を重ね着した上で、ズボンの上にオーバーパンツを履いてこの原稿を書いている。マフラーも巻いているが、手は冷たい。

 いつも展示室の測定に使っている、フィンランド製デジタル温湿度計で、私の周辺を計測してみた。
     湿度60.7%
     気温9.8℃

 時々、腕立て伏せやうさぎ跳びをしないと、我慢できない寒さである。

山口県立美術館副館長 河野 通孝

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