「餃子の王将」ギョーザたれを客の前から撤去 虫混入の動画や迷惑行為対応で

「餃子の王将」のロゴ

 中華チェーン「餃子(ギョーザ)の王将」が、店内のテーブルに置くギョーザのたれなどの調味料を撤去し、注文を受けてから店員が提供する形式に変更したことが分かった。容器に虫が混入した動画の投稿や飲食店で相次ぐ迷惑行為を踏まえ、衛生管理を徹底するために運用を見直したという。

 運営会社の王将フードサービス(京都市)が9日以降、調味料をテーブルに置かないよう全店に指示した。従来は、大半の店でギョーザのたれやラー油、酢、コショウのほか、「鶏の唐揚げ」などに使う人気調味料「王将マジックパウダー」を置いていた。

 現在は、ギョーザのたれを小皿に入れて料理とともに提供し、注文があればラー油や酢をテーブルに運んでいるという。

 同社は、餃子の王将でギョーザのたれの瓶に虫が入った動画がネットに投稿されたとする一部報道を受け、9日付でホームページに「ご不快な思いをさせたことに対しまして、心より深くおわび申し上げます」と陳謝する声明を掲載した。動画に上がった店舗は特定できなかったものの、類似の事案がフランチャイズ店で見つかったという。店内のたれは全て廃棄し、保健所の指導も受けたとしている。

 また、回転ずし店などでの客による迷惑行為の動画投稿が相次いだ影響で、自由に取ったり使ったりできる料理や調味料をなくす動きが広がっていることも考慮したという。同社は「心苦しいが、お客さまの安心・安全を第一に対応を決めた」(広報)としている。

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