延長タイブレークを永久に採用 野手登板の点数差による制限を強化

日本時間2月14日、MLBの合同競技委員会(ジョイント・コンペティション・コミティ)は2つのルール変更に関する投票を行い、延長戦を無死2塁からスタートするタイブレーク制を永久に採用することと野手登板が可能となる点数差の制限を強化することを決定した。合同競技委員会はMLB機構の代表者6名、選手4名、審判員1名の合計11名で構成。なお、2023年シーズンからはこれらに加え、ピッチクロックの導入、守備シフトの制限、一塁・二塁・三塁ベースのサイズ拡大など、大幅なルール変更がすでに決定している。

延長戦のタイブレーク制は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で準備不足のまま7月下旬に急遽開幕することになった2020年シーズンに、選手の健康と安全を守るために導入された。延長戦の各イニングを無死2塁からスタートし、得点が入りやすいようにして試合を早期終了させることを目的としたものだが、選手からの評判もよく、過去3シーズンに続いて今後も永久に採用されることが決まった。ポストシーズンには適用されず、レギュラーシーズンのみが対象のルールとなる。

また、投手の浪費を防ぐための野手登板が急増していることを受け、野手登板が可能となる点数差の制限が強化されることになった。昨季までのルールでは、投手登録または二刀流選手登録されていない選手は「試合が延長戦に突入した場合」もしくは「6点以上の点数差がついた場合」のみ、登板が可能だった。

ところが、近年は大量ビハインドのチームが敗戦処理として野手を登板させるだけでなく、大量リードしたチームが投手の浪費を防ぐために野手を登板させるという新しい戦略が登場。その結果、昨季の野手登板は132度を数え、前年の89度から急増しただけでなく、2019年の90度を上回って歴代最多回数となった。15年前の2008年にはわずか3度だったことを考えると、その増加具合が異常であることがよくわかる。

今季からは「試合が延長戦に突入した場合」「イニングにかかわらず8点以上リードされている場合」「9回に10点以上リードしている場合」のいずれかの条件を満たした場合のみ、野手登板が可能となる。このルール変更が狙い通りの効果を生むか注目したい。

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