地方の若手消防団員の担い手不足が叫ばれる中、安心・安全なまちづくりのために消防団の活動などを学ぶ授業が12日、栃木県さくら市の押上小で行われ、同校3年生21人が参加した。
市内の消防団員は2008年に430人いたが、年々減少し、今年は360人。この状況下で、消防署や消防団の仕事内容、消火車両などに興味を持ってもらおうと、市消防団が授業を主催した。
土屋恭則(つちややすのり)団長(57)のあいさつに続き、第3分団第1部の岩崎篤(いわさきあつし)部長が講義を担当。職業として消防活動などを行う「消防署員」と、通常は別の仕事を持ち、火災時にボランティアで消防署員の手伝いをする「消防団員」の役割などを説明した。子どもたちは、地図上で消防署や消防団の位置を確認する作業などを行った。
校庭で体験学習も行われ、子どもたちは塩谷広域行政組合氏家消防署(中山知巳(なかやまともみ)署長)の協力で防火服着装や初期消火などに挑戦した。防火服をまとった岩崎葵(いわさきあおい)君(9)は「着てみて服の重さと生地の厚さに驚いた。これで重い荷物をプラスして持つのは、大変な仕事だと思う」と話していた。