日韓の対露中古車輸出が急増 日本は32%増、韓国は732%増...理由は?

西側諸国の制裁で、ほとんどのロシア現地自動車工場が稼働を中断したなか、日本と韓国産中古車の輸入がロシアで急増していることが分かった。

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タス通信などによると、昨年ロシアの日本産中古車輸入は前年比32%、韓国産中古車輸入は8.3倍も増加した。

日本中古車輸出協会が明らかにした2022年の日本車中古車の対ロシア輸出は21万3,500台で前年比32%が増加した。最も多く輸出された車種はトヨタのSUVランドクルーザーだった。

トヨタのランドクルーザー

韓国貿易協会が明らかにした同年の韓国産中古車の対ロシア輸出も昨年1万9626台を記録し、2021年の2358台から732.3%増えた。

輸出金額も同期間4,534万ドル(約60億円)から5億7,276万ドル(約757億円)へと13倍増加した。

輸出単価も上昇した。2021年は1台当たり1万9200ドル(約258万円)だった輸出単価は、昨年は2万9200ドル(約385万円)にまで高騰した。

昨年ロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアに進出していたGM、フォード、ドイツメルセデスベンツ、ルノー、日産、インフィニティなどが工場稼働を中断してロシアから撤収し、現代自動車や起亜、BMWなども部品の搬入が中断され、現地工場の稼働を全面中断している。

このためロシアは2022年の新車販売がほぼ70%近く急落した。

日本と韓国産中古車の輸入が急増した理由は、(ロシア極東地域と)地理的に近いことなどが挙げられる。

一方で昨年下半期からは中国自動車メーカーがロシア現地で工場稼働を準備しており、ロシア国営企業も西側メーカーが撤収した自動車工場を買収し、稼働に乗り出している。

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