津山・城西地区に「黄金の茶室」 松平家菩提所、誘客へ一般公開

泰安寺の客殿に設置された“黄金の茶室”

 津山市城西地区にある津山藩松平家の菩提(ぼだい)所・泰安寺(同市西寺町)に、現代和風建築で知られる元日本建築家協会長の出江寛氏が手がけた“黄金の茶室”がお目見えした。11日から当面の間一般公開しており、古い町並みが残る地区への誘客につなげる。

 茶室は移動式で幅約3メートル、奥行き約2.5メートル、高さ約2メートルの金属製。垂木や四方を覆う金網などを金メッキで仕上げている。客殿の座敷に設置してあり、民間まちづくり団体「津山街デザイン創造研究所」(同市中之町)が企画したアートで作州地域に観光客を呼び込む「世界に誇る美作国アートゾーン構想」の取り組みとして出江氏に制作を依頼した。

 一般公開を前に10日、研究所が行政、観光、地元関係者ら約40人を招いて茶会を開催。高松藩松平家にゆかりがある大日本茶道協会長の松平洋史子さん(73)=東京=が茶をたてて振る舞った。

 研究所の山本昇所長は「国内外で注目される建築家の作品を通じて松平家の菩提所に注目してもらうことで、津山の歴史や格式の高さをアピールしたい。ぜひ城西地区に目を向けてもらいたい」と話している。

 茶室の見学は同寺(0868―23―8141)に事前連絡が必要。

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