赤道ギニアで致死的感染症「マールブルク病」の集団感染確認、9人死亡

 アフリカ中部の赤道ギニア政府は13日、北東部キエンテム県でエボラ出血熱に似た症状を呈する「マールブルグ病」で9人が死亡したと発表した。1967年の西ドイツ(当時)の研究施設における初の感染例以来、これまでアフリカの3ヵ国で小規模な感染事例が見られたが、今回で5度目の報告となる。

先月から同地域で感染事例続く

 同国の保健省が記者会見で説明したところによると、同県では先月7日から今月7日までの1ヵ月間で9人が死亡しており、10日にも感染が疑われる死亡例があるという。政府では同県を封鎖対象に指定した。

 「マールブルク病」は致死率が非常に高いエボラ出血熱と同じグループの「マールブルグウイルス」に感染して発症する。エボラ出血熱ほどの致死率ではないが、今回以外で、これまで世界で確認された感染者38人のうち11人が死亡している。対症療法以外の治療法、またワクチンはない。宿主や感染経路の研究もそれほど進んでいるとは言えないが、ヒトからヒトへの感染については、感染者の血液、体液、分泌物、排泄物などの汚染物との濃厚接触によるものとされ、空気感染はなく、手袋等の防護策で感染は防げるという。日本での感染例はないものの、日本政府はもっとも危険な「1類感染症」に指定している。

© 合同会社ソシオタンク