春の訪れ 後楽園で松のこも焼き 越冬の害虫を駆除 公開2年ぶり

後楽園の「松のこも焼き」を写真に収める観光客ら

 わらの中で冬を越した害虫を駆除する恒例の「松のこも焼き」が15日、岡山市の後楽園で行われ、観光客らが春の訪れを告げる風物詩を楽しんだ。

 午前10時ごろ、造園業者9人が園内のアカマツやクロマツ約240本の幹に巻いていたこもを回収。沢の池のほとりに積み上げて火を付けると、こもは煙を上げて燃えた。

 カメラを手にした男性(74)=岡山市中区=は「実際に見るのは初めて。季節の移り変わりを感じることができた」と話していた。

 こも焼きは、越冬のため害虫が枝葉から土に下りる習性を利用した伝統的な駆除法。虫が動き出すとされる二十四節気の啓蟄(けいちつ)(今年は3月6日)前に行う。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で休園したため、2年ぶりの公開となった。

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