トルコのお守りで地震義援金 友好の串本で支援広がる

売り上げを義援金にしようと制作したトルコのお守りのストラップ(和歌山県串本町潮岬で)

 トルコ南部で発生した大規模地震から1週間余り。日本とトルコの友好発祥の町である和歌山県串本町では、町が呼びかけている義援金募集を後押ししようと自分たちでも集めたり、トルコに関連したものを販売した売り上げで支援したりしようという動きが広がっている。

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家を指定管理者として運営しているNPO「潮岬おもしろらんど体験学習推進協議会」(山口和紀事務局長)は、トルコのお守りのストラップを手作りして販売している。同施設の事務所前で1個300円で購入でき、売り上げの全額が義援金になる。

 「ナザールボンジュウ」という、ガラスに目玉が描かれたお守り。トルコでは悪意を持った視線(邪視)によって災いが降りかかると信じられているため、その視線を跳ね返す力があるという。

 同NPOでは、6日にトルコで発生した地震を受け、12日に同施設で開いたグラウンドゴルフ大会で参加者に義援金を募ることを計画。その際、職員から提案があり、手作りしたナザールボンジュウのストラップも販売し、売り上げの全額を義援金にすることにしたという。

 潮岬青少年の家では、同町樫野沖で起きたトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故(1890年)がきっかけで串本町が日本トルコ友好発祥の町となった歴史を知ってほしいと、訪れた修学旅行生らにナザールボンジュウのストラップを作る体験を提供しており、今回は余っていた部品の在庫を活用して職員4人が制作。色鮮やかなガラス玉などをひもを通してつなげたもので、長さ12センチほど。1日がかりで200個を作り、1個300円でグラウンドゴルフ大会の参加者に販売したところ、133個が売れた。

 同NPOでは13日、大会で集まった義援金とお守りの売り上げなどとして、在日トルコ大使館に届ける義援金を呼びかけている串本町に7万円を寄託。同日から事務所前に義援金の箱を設置して、お守りの販売も始めた。

 山口事務局長(73)は「お守りを通じて義援金を寄せていただくことで、トルコへの思いをより強くしてもらえるのではないかと思う。串本町とトルコとの絆を改めて認識していただければうれしい」と話している。

 問い合わせは潮岬青少年の家(0735.62.6045)へ。

© 株式会社紀伊民報