
名古屋出入国在留管理局の施設で2021年3月、収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁に提出された監視カメラ映像を共同通信記者が15日までに視聴した。助けを求めながらも次第に衰弱する様子が克明に記録されていた。
21年2月22日、ベッドであおむけ状態のウィシュマさんが、女性看護師に「できれば私も食べたい」「飲むの難しい」と伝えた。体調は悪そうだが、会話はできていた。
だが同23日、ベッド上で嘔吐。「死ぬ」「病院持っていって」と訴えたが、女性看守は「私、権力ないから。ボスに伝える」と言うだけだった。
3月5日、看守らの呼びかけに時折反応するも、ほとんど言葉にならず、「うー」と苦しそうにうめき声を発していた。「おかゆ食べようね」と促されても、応じることができなかった。
最後の場面は同6日午後2時台。反応がなくなったため、看守が「指先ちょっと冷たい気もします」とインターホンで報告した。