上方落語台本大賞 5月に“最高の布陣”で発表落語会 初参加・桂吉弥「日常の大事さを感じることができる」

上方落語協会が主催し、優れた新作落語の台本を公募で選ぶ「第6回 岩井コスモ証券presents 上方落語台本大賞」の入選作発表会見が15日、上方落語の定席・天満天神繁昌亭(大阪市)で行われ、選考委員長の桂文枝(79)らが出席した。

応募総数150作品の中から、大賞は大阪府豊中市の無職・木村弘枝さん(55)の「れいぞうこ」が受賞。優秀賞には愛知県豊田市の自営業・横井正幸さん(58)の「本の冗談」、佳作には兵庫県宝塚市の会社員・藤丸紘生さん(26)の「記念品贈呈・10分」と、大阪府大阪市の自営業・今井洋之さん(50)の「夫は前妻 嫁は元旦那」と、滋賀県守山市の自営業・堀文四郎さん(61)の「おつるの恩返し」が選ばれた。

文枝は、応募作品について「人情や愛情といった、漫才とはまた違った〝深み〟を大事にする作品が多くなった」と総評した。5月22日には同所で受賞作品発表落語会が行われ、受賞作品をプロの噺家が演じる。各作品を演じる噺家を選んだ文枝は「思い通りのキャスティング。最高の布陣でのぞめるので、大いに盛り上がるのでは」と自信を口にした。

受賞作品を演じるのは文枝、笑福亭仁智(70)、桂吉弥(51)、桂雀太(45)、露の紫(48)の5人。同落語会に初参加の吉弥は「ずっと古典落語派だったが、最近は自分でも(落語を)つくるようになった」といい「新作をやる方の高座に向かう姿勢を見て、自分も意識が変わりだした。良い機会をいただいた」と意欲十分。吉弥は佳作受賞作で、結婚式を明日に控えた娘と父親のやりとりを描いた「記念品贈呈・10分」を演じる。吉弥自身も成人を迎えた子を持つ父親として「この作品を読んだときに、こんな気持ちにまもなくなるのかなと思いまして、面白くできそうな気がします」と語り、「コロナ禍の3年間を経て、この落語を聞くと、日常の大事さを感じることができると思う」と話した。

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受賞作品発表落語会
5月22日 18時開場/18時30分開演
【番組】
露の紫「おつるの恩返し」(作・堀文四郎)
桂雀太「夫は前妻 嫁は元旦那」(作・今井洋之)
笑福亭仁智「本の冗談」(作・横井正幸)
~仲入~
桂吉弥「記念品贈呈・10分」(作・藤丸紘生)
桂文枝「れいぞうこ」(作・木村弘枝)

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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