清掃活動ごみ撤去費用 全額補助へ 岡山県 ボランティアの負担減狙い

岡山市南区・笹ケ瀬川の河川敷でボランティアが集めたごみ。撤去は参加者の大きな負担となっている=昨年12月10日

 岡山県内の清掃ボランティアが河川や海岸で回収したごみについて、自力で焼却場に持ち込んで撤去している状況を受け、県は15日、撤去費用を全額補助する方針を打ち出した。ボランティアの負担を軽減するのが狙いで、搬出作業は市町村が担う。4月からの開始を予定している。

 計画では、45リットル入りのごみ袋で50個以上の回収が見込まれる大規模な清掃を対象とする。ボランティアから撤去の依頼があれば、市町村が焼却施設や埋め立て場まで運んで処分し、県がその経費を全額負担する。清掃場所は県管理の河川や海岸だけでなく、国や市町村の管轄エリアも含む。

 同日発表の一般会計当初予算案に関係費500万円を計上した。

 ごみの撤去を巡っては、ボランティアが国や自治体に依頼しても、清掃場所が管轄外であれば応じてもらえず、予算や人員に限りがあるなどとして断られるケースも多いという。そのため、清掃の参加者がマイカーで焼却施設まで運んだり、町内会の許可を得てごみステーションに出したりしている。

 伊原木隆太知事は予算発表の記者会見で「ボランティアには申し訳ないことになっていた。自主的にごみを回収してくれるありがたい仲間として応援していきたい」と述べた。

 関係費には、ボランティアが県管理の河川などを清掃する場合に事前の草刈りを代行する費用、用水路や河川のごみ削減に向けて市町村が取り組む新事業への補助金も盛り込んだ。

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