箱根、23年は観光客9割回復見込み 入国制限解除伴うインバウンド増で

昨年3月に自然研究路の引率入場が再開し、客足が戻りつつある箱根・大涌谷=2022年3月28日、箱根町仙石原

 神奈川県内屈指の観光地として知られる箱根町は15日、2023年の観光客数が新型コロナウイルス禍前の9割(年間約1800万人)の水準まで回復する見込みであることを明らかにした。

 新型コロナの感染症法上の分類が5月に「5類」へ引き下げられた場合の行動制限解除や入国制限緩和に伴うインバウンド客の増加を見込んでおり、町は23年度当初予算案に若年層や東南アジアからの観光客誘致強化などに向けて観光費約10億8千万円(前年度比8.7%増)を計上。勝俣浩行町長は「最終的には観光客数を2千万台に戻すことを目標にしたい」と力を込めた。

 町観光課によると、過去10年間の入れ込み客数は17年の2152万人を最多として緊急事態宣言や外出自粛などの行動制限がかけられた20年には過去最低の1257万人を記録。ただ、21年からは回復傾向にあり、大涌谷の自然研究路が約7年ぶりに再開した昨年は平時の8割まで回復した。勝俣町長は「イベントが再開するなどにぎわいを取り戻しつつある。苦しい時期を乗り越えてきた事業者らの努力の成果」と話す。

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