盲目の娼婦と中国人の少年がサイコパスの殺人鬼から逃げる アルジェント最新作「ダークグラス」公開決定

「サスペリア」「フェノミナ」などのダリオ・アルジェントの10年ぶりとなる監督作「ダークグラス」が、4月7日より劇場公開されることが決まった。

「ダークグラス」は、御年82歳のアルジェントが、自身のルーツであるジャッロに立ち返ったイタリアン・ホラー。ローマを舞台に、盲目の娼婦と中国人の少年が、サイコパスの殺人鬼から執拗に追いかけられ続け、殺されないよう逃げ惑う物語。自身の作品へのオマージュともいえる原点回帰となった本作は、狂気と鮮血、鮮やかな色彩、不穏な音楽と、アルジェント節全開の作品となっている。2000年代初頭にフランコ・フェリーニとの共同で脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされていた。完成した作品は、2022年のベルリン国際映画祭のプレミアでお披露目された。

主人公である盲目の娼婦ディアナを演じたのは、「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」で、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィド・ディ・ドナテッロ賞の主演女優賞を受賞したイレニア・パストレッリ。そしてアルジェントの娘、アーシア・アルジェントがディアナを支える歩行訓練士役を演じ、アソシエイトプロデューサーを兼任している。ノスタルジックなムードの音楽は、「BPM ビート・パー・ミニット」でセザール賞を受賞したアルノー・ルボチーニが手がけた。

ダリオ・アルジェント監督は、「『ダークグラス』は、数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。 でも頭から離れることはありませんでした。バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました。それ故に、私は恐怖の扉を開き、突き進もうと決めたのです。幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、『ダークグラス』は、運命に刻まれた作家としての旅路の集大成です。そして時代が変わったからといって、物語の本質も解釈のスタイルも裏切りたくはないのです」とコメントを寄せている。

【作品情報】
ダークグラス
2023年4月7日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
配給:ロングライド

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