桃の節句を前に、岡山市内のギャラリーでひな祭りの企画展が開かれている。歴史を刻んだ人形から、インテリアとして手軽に飾れるガラスや陶製まで、それぞれ特色ある展示が楽しめる。
陽光受け輝く吹きガラス
ギャラリーさとう(岡山市中区門田屋敷)は19日まで「和顔愛語 硝子(がらす)ひなまつり展」と題し県内のガラス作家5人による約100点を並べる。
坂根秀子さん=同市=の作品は、吹きガラスによるふっくらとした丸い体に、女びなと男びなの髪飾りをシンプルに表現。中に細かな気泡を混ぜており、陽光を受けてキラキラと輝いている。有松啓介さん=同市=はぼんぼりやひし餅といった道具もガラスで仕上げ、三人官女を入れた三段飾りもある。
オーナーの佐藤幸枝さんは「日々の暮らしになじむ品で部屋を彩ってみては」と話す。
午前11時~午後6時(最終日は午後4時まで)。同ギャラリー(086―272―1431)。
歴史感じる明治の職人技
明治期のひな人形や道具約40点がそろうのは、カフェギャラリー来美古庵(岡山市北区白石西新町)。「来美古庵のおひなまつり」と銘打ち、3月5日まで開いている。
豪華な天冠をかぶったひな人形はギャラリーのコレクションで、明治期の名工・大木平蔵の作品。同時期に作られた高さ約50センチの花車を一緒に飾り、ツバキやボタン、ナデシコなどが彩りを添えている。
「明治期の職人は仕事が細かく、全く手を抜かない」とオーナーの西田くみ子さん。ミニチュアのしゃもじやおろし金、本物の3分の1ほどの大きさの琴(長さ約60センチ)といった道具も目を引く。
午前10時~午後5時。日、月曜と祝日休み。要予約。同ギャラリー(086―255―0557)。
備前焼や陶器多彩
カレー店「ボン・ヴォイージ」(岡山市中区倉田)内のギャラリーでは「春爛漫(らんまん)展」を3月4日まで開催中。県内を中心とした作家23人がハンドメードの約800点を寄せた。
トールペイントで絵付けしたひょうたん、ステンドグラス、備前焼、陶器、水墨画など多彩なおひなさまが並ぶ。今年のえと・卯(う)にちなんで、ちりめんや着物のリメークで作ったウサギのひな人形も陳列。着色したシルクやデニムによる布の花も会場を華やかに染めている。
オーナーの安藤弘子さんは「春らしい色合いの作品が集まった。一つ一つじっくり見てほしい」と来場を呼びかける。
午前10時~午後4時。日、月、火曜と祝日休み。同店(086―277―2201)。
16日から催し
16~23日には岡山市北区御津河内の「ギャラリーT.M.」(086―724―3313)で、ガラスや古布を使ったひな飾りなど約100点が並ぶ「春をつげるお雛(ひな)さま」が開かれる。午前11時~午後5時。