「目指すは右に倒れないアッパーブロー」にAGREE!岩崎亜久竜の中・上級者向け飛ばしレッスン(1)

岩崎のスイングを目に焼き付けてからLESSONスタート♪

男子ツアーでただいま売り出し中の若手パワーヒッター、岩崎亜久竜。180cm超の長身から繰り出される豪快なショットが武器の彼に、ドライバーで飛ばす上でのいくつかのポイントを教わった。コンスタントに80台を出したいという上昇志向のある方必見。ワンランク上のドライバーテクニックに“AGREE(アグリー)”します。1回目は「軸の傾き」について。(全3回/編集・服部謙二郎)

目指すは「ヘッドとボールの正面衝突」

――打ち方の解説前に、ドライバーを打つ上での注意点を教えてもらえますか?

まず意識してほしいのは、「ヘッドがどういう状態でインパクトするのがいちばん効率的に飛ばせるか」ということ。僕はヘッドが低い位置から入って(シャロー)、なおかつフェースがスクエアに当たる状態、つまりヘッドとボールが“正面衝突”するイメージを意識しています。僕の場合はアイアン感覚で打つのもあってドライバーで入射角0度ぐらいですが、皆さんのヘッド速度なら入射角が「アッパー3、4度」は、あっていいと思います。ただ、多くの方のドライバーは、バンカーショットみたいになっていますよね。

写真のようにヘッドが上がり際、フェースはスクエアでボールと正面衝突が理想(撮影/村上航)

――バンカーショットですか? ドライバーで?

皆さんのドライバーショットを見ていると、ボールを上から叩くだけでなく、フェースが開いてロフトがついた状態でインパクトしています。それだとスピンが入りすぎて球は吹け上がって飛ばないですし、クラブが外から入っていろんなミスが出やすい。飛ばすためにはバンカーショットと逆の理屈が必要で、レベルブローかアッパーブローの軌道、かつフェースはスクエアで正面衝突させたい。それでようやく適正なスピンと打ち出しになり、効率よく飛ばすことができるんです。

右に傾かずにアッパー軌道を作る

体を倒したあおり打ちはNG(左)、正しくは軸を倒さずに低い位置からヘッドを下ろす(右)(撮影/村上航)

――なるほど。ではその入射を作るために意識するのはどんなことですか?

アッパーに当てるというと、皆さんどうしても体を右に倒して自らロフトをつけようとします。でもそれだといわゆる“あおり打ち”。僕も試合中に疲れてくると、右サイドが倒れてあおり打ちになりやすく、そうなるとボールがどこに行くかわかりません。ですから、上半身の軸はインパクトまで(右に)傾かないのが理想。軸が傾かずにヘッドを低い位置から入れられれば、ボール位置が左側でなおかつティアップしていますので、自然とアッパー軌道になります。

――インパクトまで軸を傾けずに我慢するのもなかなか難しいですが…。

そうですね。僕もコーチの黒宮(幹仁)さんに同じ質問をしましたが、上体だけを意識するとやっぱり難しいです。そこで、両足にボールを挟む練習を勧められました。

下半身を意識することで上体の傾きが抑えられる

――確かに岩崎プロは、いつも両足の間にボールを挟んで練習していますよね。

あれは下半身の修正のように見えますが、実は体の傾きを抑えるドリルなんです。僕が右に傾くときは、たいていひざが先に動いて下半身がスウェーし、上半身の軸を支えきれなくなって体が傾く。ですから軸の土台であるひざが暴れないように、このボールを挟んでいるんです。

――足に挟む練習器具がないアマチュアの方などはどうすればいいですか?

両足の内ももにテンションをかけたまま振るだけでも、変わってくると思います。ひざが流れたり割れたりするような方は、特に左足の内ももに意識をもって振れるといいですね。

まさに正面衝突の一歩手前。ナイスショット確定だ(撮影/村上航)

――これなら確かにヘッドの入射が安定しそうですね。

そうですね。上からクラブが入るときは腕が縮こまってヘッドを減速させて打っているわけですから、インパクトで(左)腕は伸びた状態で当てたい。そのためには軸が傾いていては難しいんです。腕の長さも大事になってくるので、それは次回詳しく説明します。

協力/さつまゴルフリゾート

岩崎のドライバースイングを静止画でもう一度

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