選挙戦わずか4区か 和歌山県議選、7割で無投票の公算

2011年以降の各選挙区の立候補者数

 3月31日告示、4月9日投開票の和歌山県議選(定数42、14選挙区)は、無投票の選挙区が増えそうだ。15日現在、本紙の取材で立候補予定者が定数を上回っているのは4選挙区。立候補者数は今後増減する可能性があるが、7割の選挙区で無投票となる公算が大きい。

 2月上旬の立候補予定者説明会に出席したり、後日資料を受け取りに来たりしたのは計51陣営。5選挙区で定数を上回った。うち定数3の田辺市は説明会に現職3陣営が出席し、後日1陣営が資料を受け取った。この1陣営は本紙の取材に「立候補しない」と答えている。

 選挙戦の可能性が高い4選挙区は西牟婁郡、御坊市、和歌山市、紀の川市。西牟婁郡は定数2に対し、自民現職の秋月史成氏と共産現職の高田由一氏、自民推薦で新顔の三栖拓也氏の3人が立候補を予定している。御坊市は定数1に対し、共産現職、自民元職、無所属新顔の3氏。

 紀南では日高郡(定数3)、田辺市(3)、東牟婁郡(2)、新宮市(1)がいずれも立候補予定が現職陣営のみ。このまま無投票となれば田辺市は2期、新宮市は3期連続となる。

 現在の定数となった2011年以降、無投票の選挙区は毎回複数ある。11年は5選挙区で無投票当選率23.8%(10議員)、15年は7選挙区で28.6%(12議員)、19年は7選挙区で33.3%(14議員)だった。仮に今回このまま10選挙区が無投票になると、無投票当選率は50.0%(21議員)に達する。

■多様ななり手必要

 和歌山大学の足立基浩教授(地方創生論)は「さまざまな政策課題がある中、民意を反映するには、多様な属性の議員が必要。女性や若者が立候補しづらい環境があるなら問題だ」と指摘する。

 「広域行政などで県議の役割は重要性を増しているのに、活動が知られていない。議員はもっと情報発信するべきだ。政策論争も少ない。市民もNPOなどをつくって、実現したい政策を議論、発信してはどうか。県政との関わりが生まれ、活動から新たな議員も生まれるかもしれない」と話している。

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