外国人宿泊 岡山県前年比8.5倍 10~12月 水際対策緩和で回復

 岡山県は16日、昨年10~12月に県内で宿泊した外国人旅行者数を発表した。総数は1万4645人で新型コロナウイルス流行前の2019年同期の約2割にとどまる一方、21年同期(1718人)との比較では約8.5倍に増加。政府の水際対策緩和に伴うインバウンド(訪日客)の回復が見て取れる。

 国・地域別では、21年は13人だった香港が71倍の918人、台湾は33倍の1083人、韓国は16倍の1010人、中国は6倍の1090人。この4カ国・地域と岡山桃太郎空港(岡山市)を結ぶ定期路線はいずれも全線運休が続いているが、周辺府県の空港経由で岡山入りするビジネス客が増えているという。最多は米国の3003人で21年の24倍に上った。

 一方でコロナ禍前の19年と比較したところ、香港、台湾、韓国、中国とも依然として1~4割程度の水準となっている。

 政府は22年10月に1日当たり5万人の入国者数上限を撤廃し、訪日客の個人旅行を解禁。近県では高松空港でソウル、台北線、広島空港で台北線が既に運航を再開しており、岡山桃太郎空港でも3月26日の台北線再開が決まっている。

 県観光課は「今年はインバウンドが本格的に回復するとみている。県内観光のPRに向け旅行会社への売り込みやSNS(交流サイト)での発信に一層力を入れたい」とする。

 調査は19年度の外国人宿泊者数が延べ千人以上だった35施設の実績を集計した。

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