目指すはフルイニング出場 34歳 秋山翔吾「最後まで出るのが野手の責任」 広島カープ

広島カープの宮崎・日南キャンプの1軍参加メンバー最年長だったのが、昨シーズン途中からカープの一員となった 秋山翔吾 選手です。初めてのカープのキャンプで、仲間に与える影響とは? そして自らが掲げる目標への強い思いを語ってくれました。

プロ13年目。初めてカープのキャンプに参加している 秋山翔吾。12日の紅白戦ではチーム第1号のホームラン。さすがの存在感をみせる34歳は、監督がペースを気にかけるほど、宮崎・日南の第1クールから精力的に練習に取り組んでいた。

広島カープ 秋山翔吾 選手
「(日南で大切にしたのは)振り込みだったり、トータル数をやっておくことですかね。体にしっかり負担をかけて疲労感や、こういう(疲れた)中でやるというのを頭にも刻み込んでやっている時期になりますかね」

シーズン最多安打記録を持つヒットメーカーは、速い球を高い確率でとらえるために去年よりも打つポイントを前にしたフォームに取り組んでいる。

秋山翔吾 選手
「まだまだ、これが正解だったとか判断する時期ではないと思いますけど、最近の中ではそういう取り組みをしていなかっただけにいろんな発見もある。今まで出たことのないファウルや体重移動をしてもそんなに悪いことじゃないというのはありますかね。それが身になって結果に結びついてくれればいいなと思っています」

1軍キャンプ最年長だが、「ベテラン」とは言わせない雰囲気を自らが醸し出している。

秋山翔吾 選手
「完全に今、けがを回避しようとした…」

広島カープ 新井貴浩 監督(球場アナウンス)
「遠くからお越しいただき、ありがとうございます。背番号9、秋山翔吾選手でございます。昨年途中からの加入でしたが、ことしは最初からチームの力になってくれると思います」

秋山翔吾 選手
「(新井監督は)前向きな言葉をかけようとしているのを報道で目にする。いろんな選手にとってプラスが大きいのかな」

仲間の背中を押そうとする姿は、6度のゴールデングラブ賞を誇る秋山も同じだ。

広島カープ 赤松真人 コーチ
「実績もあるし、選手にとっても影響力があるので、コーチ側としては助かります。気づいたことを言ってくれるし、『こういう練習どうですか?』と言ってくれるので頼もしい限り」

2年目・19歳の 田村俊介 には、ノック中に身振り手振りでアドバイスを送っていた。どんな話かを聞いてみると…

秋山翔吾 選手
「どうせ、これ(マイク)で拾っていたでしょ。高性能ガンマイクは、どの局も持っていると聞いている(笑)」

「自分の見えている打球だけを取るのは、外野手は当たり前。いくらでも取れるんですよ。いかに自分でノッカーが打つ打球に対して実戦に近づける、よりボールを目を離さなきゃいけない時間を多く作れるかが、1つあるので、その前提としてポジショニングを前にしてノックを受けた方がいい…」

広島カープ 田村俊介 選手
「もう、すごいです、存在が。子どものころからずっとテレビを見て、出られていたので。1番近くで見られますし、いろんな盗めるところは盗みたい」

もちろん、守備以外も背番号9はすべてが後輩の手本だ。

広島カープ 宇草孔基 選手
「ぼくにとってはありがたいですね。ありがたいですし、越えていきたいですし、アキさんも『お前に打席は絶対にやらないよ』と言ってくれていることが、まずうれしいので、それを意気に感じて、よっしゃ、脅かしてやるぞと思っています」

ファンたち
「あきやまさ~ん」

秋山翔吾 選手
「(サイン会を)監督がやっているので来ました」

新井貴浩 監督
「おっしゃ~、さすがやね」

ファンの歓声が戻ってくるといわれる2023年。カープ2年目の目標は、スタジアムに来るファンへ常に「秋山翔吾」の姿を見せること…、「フルイニング出場」です。

広島カープ 秋山翔吾 選手
「まあ、いいじゃないですか。元気に、これくらいのヤツが試合に出続けるのは。若いヤツのチャンスをつぶすなという声も聞こえますけど、たぶん。休みながら試合に出ていく方が、コンディションは整うだろうと思いますけど、最後まで交代枠を使わないでおくためには、試合に出た以上は最後まで出ていくのが、選手の責任。ずっと出続けようとする選手がいてもいいんじゃないかと思っていて」

「7回で点差が開いて、そろそろ代えてほしい顔をするのは、ぼくはよくないと思っていて、出られる以上はずっと出ていくのが、野球選手、特に野手はそういう気持ちはあっていいんじゃないかなと思っているので。やったことある分だけ、もう1回やりたいなと思います。“フル出場” という選手と、“フルイニング出場” という選手が、聞こえはあんまり変わらないんですけど、さらっと流れちゃうと、文字にしても…。やっぱり代わらずに出たんだというのは、人に伝えるときに大事なことかな。勝手に目指してやります」

◇ ◇ ◇

― フルイニング出場のランキングですが、秋山選手は、金本知憲 さんに次ぐ歴代2位です。パ・リーグ1位の記録を西武時代にマーク。しかも途切れたのは、2020年にメジャーへ挑戦したから。シーズンの最多安打記録保持者というバッティングのイメージが強いかもしれませんが、ゴールデングラブ賞も6回。いかに3拍子そろっているかが、フルイニング出場の試合数に現れています。

― 新井監督も第1クールから精力的に動いている姿に、けがでいなくなるのが困るので、もう少しペースを落としてもいいと話したそうですが、ことしにかける意気込みが伝わるとも語っていました。

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