話題のドラマ「清越坊の女たち」対立する二人のヒロインの前に現れた男性とは?

清朝・乾隆帝時代が舞台となるドラマ「清越坊の女たち〜当家主母〜」は、経済・文化の中心地・蘇州で伝統織物の技術を受け継いでいく女性たちが主人公の物語。
登場するヒロイン沈翠喜と曽宝琴は性格も正反対で正妻と妾として対立します。彼女たちが、宿敵からかけがえのない存在となっていく波乱万丈の展開とは?


2人の前に第二の男性が現れて関係に変化

任家を守ることが自分の生きる道なのだと信じ、任雪堂が自分を愛してくれないことを承知で妻となった沈翠喜。初恋の恋人・任雪堂だけを心の頼りに屈辱を耐え忍び、今日まで生き延びてきた曽宝琴。

そんなヒロイン2人の間で板挟みに苦しんでいた任雪堂が突然、旅先で失踪してしまったことから、彼女たちの溝はさらに深まっていきます。曽宝琴は任雪堂が不在の間に息子を産むものの、自分は任家に入ることを許されず、息子だけが任家の跡取りとして沈翠喜に引き取られたことで、ますます恨みを募らせていくのです。

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そんなある日、曽宝琴は雪の中で行き倒れていた魏良弓(ぎりょうきゅう)という男性の命を助けます。若くして学業優秀だった彼は前途洋々のはずが、正妻である義母のせいで生母が死に追いやられたと恨み、生きる希望を失っていました。そして、曽宝琴を慕うようになった魏良弓は彼女の頼みで、任家に家庭教師として入り、彼女の息子を指導するようになります。

そうとは知らない沈翠喜は清廉潔白な心を持ち、教養に溢れた魏良弓に惹かれていきます。幼い頃から任雪堂以外の男性と親しくなる機会もなかった彼女は、どんな女性にも優しい任雪堂に好感を抱き、その気持ちが愛なのかもしれないと思い込んでいました。

でも、母親を失った悲しみと孤独感、曽宝琴への報われない想いを抱く魏良弓の心に共鳴し、彼と心を通わせることで本当の愛を見つけていくのです。

しかし、失踪中とはいえ夫のある身の沈翠喜にとって、これは誰にも知られてはいけない世を忍ぶ恋。彼女は葛藤と愛する喜びの間で心を揺らしますが、そんな彼女の気持ちに気づいて誰よりも理解してくれたのは曽宝琴でした。

また、曽宝琴は沈翠喜の裏切りの裏に隠されていた事実と、彼女が任家を守るためにどれだけ多くのことに耐えてきたのかを知って、心境が変わっていくことになります。


TEXT: 小酒真由子(フリーライター)

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