新幹線テロ、回送列車で対応訓練 G7サミット前に岡山県警やJR

刺股や盾で犯人役を追い詰める警察官=JR岡山駅

 5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、岡山県警は16日、広島、兵庫、山口、福岡の4県警やJR西日本と連携し、新幹線の回送列車で大規模なテロ対応訓練を初めて行った。不審者や不審物の対応といった緊急時の手順を確かめた。

 博多―姫路間で回送列車を往復させ、各県警とJR西で計約140人が参加した。岡山県警の訓練は岡山駅を中心に実施した。広島―岡山間を走る新幹線に乗車していた広島県警の警察官から、刃物と液体の入ったペットボトルを持った男が車内にいるとの連絡が入った―との想定。

 岡山駅ホームで待ち構えていた岡山県警の警察官は、刃物を振り回して降車した犯人役を刺股と盾で取り押さえた。化学防護服を着たNBC(核・生物・化学)テロ対策部隊は、ペットボトルを慎重に回収した。走行中の車内でも犯人役の制圧や乗客の避難誘導に取り組んだ。

 岡山県警警備課の是松由行課長補佐は「これまでにない規模で実践的な訓練ができた」、JR西の斉藤丈二岡山駅長は「乗客の安全確保に向け、対応力を高めていく」と話した。

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