映画やドラマのロケを通じてまちを活性化させた作品や地域を顕彰する「第13回ロケーションジャパン大賞」の授賞式が16日、東京都内で行われ、映画「とんび」とロケ地となった岡山県が最優秀のグランプリに選ばれた。県全体で盛り上げに貢献したことなどが評価された。岡山関係の作品のグランプリ受賞は初。
「とんび」は津山市出身の作家重松清さんのベストセラー小説が原作。阿部寛さんが主演を務め、親子の絆をテーマに描いており、撮影は2020年11月から約1カ月間、浅口市金光町や笠岡市金浦地区など県内8市町で行われた。カナダの映画祭で阿部さんが主演男優賞に輝くなど世界に岡山の魅力を発信し、各自治体が連携して撮影からPRまで支援したことが選定のポイントになった。
授賞式では製作に携わったKADOKAWAのプロデューサー天馬少京さん、岡山県の伊原木隆太知事が表彰状を受け取った。天馬さんは「岡山県は作品にとって親のような存在。感謝したい」、伊原木知事は「地元の皆さんが熱心に支えたことが受賞につながった。大変光栄」と話した。
同賞はロケ地情報誌「ロケーションジャパン」が毎年実施。今回は21年11月~22年10月に公開された41作品51地域がノミネートされ、一般アンケートによる支持率や観光誘客の取り組み、地域の撮影へのサポートなどを基準に選考された。準グランプリはNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とロケ地の静岡県伊豆の国市が受賞した。