花粉症との関連も!大人になってから食物アレルギーが発症する理由

2月17日~23日はアレルギー週間、なかでも2月20日はアレルギーの日とされています。
アレルギー疾患というと、「花粉症」「アトピー」「食物アレルギー」などが挙げられます。
また、アレルギー反応とは、体にとって有害な物質を排除するために働く免疫機能が、本来無害な花粉や食べ物を有害物質と誤認識して、排除するように働いてしまうことです。

花粉症は大人になってから発症することも多いですが、食物アレルギーは子どものころに発覚するもの、というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、大人になってから食物アレルギーを発症するケースも多数報告されています。
この記事では、大人の食物アレルギーについて解説します。

大人になってから発症する食物アレルギー

乳幼児期に発症する食物アレルギーは、鶏卵や魚卵、牛乳などが原因になることが多く、皮膚のかゆみやじんましん、咳や息苦しさ、腹痛や下痢が主な症状です。
重症であれば、意識障害(アナフィラキシーショック)を引き起こすこともあり、命に関わることもあります。
しかし、原因食物ごとに差はありますが、消化器機能が成長に伴って発達すれば食べられるようになることも多いです。

一方、大人になってから新たに発症する食物アレルギーの原因食品は、甲殻類(エビやカニ)、小麦、魚や果物が上位となっています。
子どものアレルギー同様にじんましんなどの皮膚症状、腹痛や下痢症状が出ることもありますが、口腔内や喉に腫れやかゆみの症状が出ることが多いとされています。
大人になってから新たに発症した食物アレルギーは、時間経過によってアレルギー反応が軽減することは少ないと言われています。

運動や花粉との関連も

食後すぐ~1時間ほどで発症する症状以外にも、アレルギー原因食品を食べた後(30分~2時間程)に運動することで症状が出る「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」というものもあります。
これは大人になってから新規で発症しやすい小麦や甲殻類アレルギーの場合に多く見られるため、新たなアレルギーの疑いがある場合は、運動は食後から十分に時間を空ける必要があります。

また、花粉症の症状がある人は、特定の食物アレルギーを発症しやすいことがわかっています。
これは、花粉と食べ物のタンパク質の構造が似ているために起こるもので、スギが原因の花粉症罹患者はトマト、ブタクサが原因の花粉症罹患者はメロンやスイカ・きゅうりなどのウリ科やバナナでもアレルギー症状が出ることがあります。

アレルギーかも?と思ったら

「メロンを食べたら、突然喉がイガイガするようになった」
「青魚を食べるとじんましんが出るようになった」
このような明らかな症状が出れば、「もしかしてアレルギーかもしれない……」と疑うこともできます。

しかし、小麦など日常的に食べるものが原因だった場合、慢性的な消化不良や倦怠感、湿疹などの症状だと「ちょっと体調が悪いかな」「肌荒れしているな」程度に考えてしまい、アレルギーの可能性に気付かないかもしれません。
「もしかして」の段階で、小麦の入っている食品を数日控えてみて、体調や湿疹が改善するなどの変化がないか様子を見てみることも、ひとつの判断の目安となります。

また、疑わしい症状がある場合は、一度検査を受けてみることをおすすめします。
検査にはいくつか種類があり、血液検査のほか、アレルギーの原因と考えられる成分を皮膚に貼ったり、液体を1滴たらし、小さく傷をつけて腫れの度合いを見る皮膚検査(プリックテスト)、実際に原因と考えられる食べ物を食べて症状を観察する食物負荷試験などがあります。
原因と考えられる食べ物や症状に応じて、検査内容は変わります。
皮膚科や内科などで検査を受けることができますが、事前に病院やクリニックに症状を伝え、検査が可能か問い合わせておくと安心です。

食物アレルギーは、免疫機能と大きなかかわりがあることから、生活習慣の乱れやストレス、疲れなど、心身のコンディションによっても症状が出やすくなります。
自分の体調を整えることも、アレルギー対策のひとつです。
バランスの良い食生活、十分な休養で体調を整え、上手にストレス解消をすることも意識して生活しましょう。

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