アルピーヌF1『A523』:2パターンのカラーを発表。目標達成の前年型を徹底的に進化「表彰台を獲得しトップ3に近づく」

 BWTアルピーヌF1チームが2月16日、2023年型F1マシン『A523』の発表会をイギリス・ロンドンのクラブ、プリントワークスで開催した。会場にはルノーグループCEOのルカ・デメオ、アルピーヌCEOローラン・ロッシ、チーム代表オットマー・サフナウアー、レギュラードライバーのエステバン・オコンとピエール・ガスリー、テクニカルディレクターのマット・ハーマンらが登場、ニューマシンを披露するとともに、新シーズンへの抱負を語った。

 壇上には異なるカラーリングの2台のA523が並べられた。アルピーヌブルーとタイトルパートナーであるオーストリアの水処理関連企業BWTのコーポレートカラー、ピンクを融合させ、あらたに雪の結晶のマークがあしらわれたデザインで、メインで使用されるマシンはブルーが基調のもの、開幕3戦のバーレーン、サウジアラビア、オーストラリアではピンクがベースのデザインが使用される。雪の結晶は、アルピーヌの歴史的なルーツであるアルプスを象徴しているということだ。

発表会でお披露されたアルピーヌF1の2023年型マシン『A523』
アルピーヌF1の2023年型マシン『A523』(左フロントサイド)
アルピーヌF1の2023年型マシン『A523』(開幕3戦限定カラーリング)

 A523についてチームは、2022年型A522を大きく進化させたものであり、冬の間に、シャシー部門とパワーユニット(PU)部門が緊密に連携し、徹底的な開発を行ってきたと述べている。

 2023年のレギュラードライバーは、ルノー時代の2020年からチームに所属するオコンと、フェルナンド・アロンソの後任として加入したガスリーのフランス人ペア。さらにアルピーヌがキャリアをサポートしているFIA F2ドライバーのジャック・ドゥーハンが2023年の公式リザーブドライバーに就任することも発表された。

エステバン・オコン&ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 2022年初めに“100レース計画”を掲げたアルピーヌは、昨年はコンストラクターズ選手権の順位を前年よりひとつ上げて4位を獲得、着実にステップアップした。2023年にはさらにトップに近づくという大胆な目標を立てているという。

 サフナウアー代表は「2022年にはコンストラクターズ選手権4位を獲得という目標を達成することができた。シーズンの初めにローランが述べた100戦プランにおける健全で重要なマイルストーンに到達したのだ」と語った。

「2023年の目標はシンプルだ。最低でもランキング4位を獲得しなければならない。そしてそれを、より説得力のある形で成し遂げるのだ」

「そのためには、より多くの完走を果たし、より多くのポイントを獲得し、避けられないわけではないリタイアを減らさなければならない。エステバンとピエールをはじめ、チームの全員に大きな期待をしている。全員がチームのために最高の結果を出すために協力し合って取り組んでくれるだろう」

アルピーヌF1の2023年型マシン『A523』(フロント)

 サフナウアーは「ランキング3位とのギャップは大きかった。その差を縮める必要がある。リタイアを減らして、ポイントをもっと稼ぎ、できれば何度か表彰台を獲得し、2022年よりも選手権3位に大きく近づく必要がある」とより具体的な目標について語った。

「近いうちに望む位置にたどり着くことができるだろう。それは世界タイトル争いに加わることだ」

 アルピーヌは13日にシルバーストンですでにニューマシンのシェイクダウンを済ませ、オコンとガスリーがそれぞれA523での初走行の機会を得た。次は23日にスタートするバーレーンテストで本格的なテスト作業を始めることになる。

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