奮闘!豊島区で高校生がカフェを経営 社会体験や地域活性化にも…

豊島区西池袋にあるカフェを経営するのは、なんと高校生です。NPO法人がサポートする“高校生カフェ”は生徒たちの社会経験の場としてはもちろん、地域の活性化にも一役買っているようです。

1月23日、豊島区役所で子どもや若者・子育て世帯を支援する区内の事業の表彰式が行われました。見事、最優秀賞として選ばれたのは、NPO法人の「テラコヤ」が行う「テラコヤカフェ」という取り組みです。

テラコヤカフェとはどんな取り組みなのでしょうか。実際に営業しているカフェを訪れてみると、店を営業しているのは"都内の高校に通う生徒たち”です。NPO法人のサポートの下、配膳や調理はもちろん、お金の管理まで飲食店の経営全てを高校生に任せることで社会の仕組みを学んでもらおうという取り組みで、NPO法人テラコヤの前田和真代表は「自分自身の経験としてもなかなか学校の中ではキャリアについて考える機会は少ない。私も元々学校の教員だったが、その経験も生かしてこの活動をやろうと思った」と話します。

カフェを運営するのは同じ高校に通う仲良し4人組です。中澤はなさん(16)は「学校のボランティアシートにこの取り組みが載っていて、仲のいい4人で楽しそうだからやってみようって感じで、軽い気持ちで応募した」と話します。店の名前はスペイン語で「おいしい」という意味の「ケリコ」に決まり、メイン料理はトマトやひき肉にチーズをたっぷりと乗せたタコスです。さらにタコスの調理過程で出るだしを使ったミネストローネや、タコスのトルティーヤを使ったピザなど、4人で試行錯誤を重ねながら新商品の開発も進めています。

その一方で苦労もあります。柳詠舞さん(16)は「店の場所が裏路地で分かりづらいので看板を増やそうとか、看板のコピー代など出費が増えたり、思っていたよりも売れなかったりで、大変で苦戦もした」と語ります。自分たちで店を始めてみて分かる経営の難しさ──。そこで4人が取った打開策が、店の外での"売り歩き”です。松井秀磨さん(16)は「商品をお店だけで売るとお客さんが来なかったりするので、自分たちで外を回って売っていく」、仲美空さん(16)も「街に人が少ない時は大変だが、売れた時はうれしい」と話します。

そんな高校生たちの頑張りを後押しするのが、周辺に住む人たちの応援です。この日も購入した近所の住民は「先週も買ったの。おいしかったよ。偉いよね。応援したいなと思う」と話していました。テラコヤカフェはこうした地域に住む人たちの元気や街の活性化につなげることも大切な目的の一つとなっています。前田代表は「高校生が入っていって新しい風を吹かせることで、地域の活性化にもつながると思っている。いろいろな地域でこういう活動を広げていきたい」と話しています。

この日作ったタコスは"外回り”の営業努力が実を結んでほとんど完売し、この日は利益を出すことに成功しました。今後、どこまで利益を上げられるのか、4人の高校生の"経営”は続きます。

<次回は3月12日に営業>

高校生たちが奮闘するこのカフェの次回の営業は3月12日の予定です。

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