流血の男性、救急車へ…郵便局を襲った強盗、今も逃走中 走る警官「そこ曲がった」 裏手に保育園「怖い」

事件のあった郵便局の前で鑑識作業をする警察官ら=16日午後7時5分ごろ、川口市並木3丁目

 埼玉県川口市並木3丁目の「川口並木郵便局」で発生した強盗致傷事件。事件は、駅からも近く、車や歩行者などが多く行き交う場所で発生した。現場周辺には規制線が張られ、多くの警察官が鑑識作業などを行っていた。現金を奪った男は現在も逃走しており、周辺住民らは「まさかこんなところで」「犯人が捕まっていないので心配」と不安そうな様子。現場の様子をうかがう人らも多く見られた。

 現場周辺では、警察犬も投入し、逃げた男の行方を追っていた。

 近くで飲食店を営む男性(57)は「(同郵便局は)日中は混んでいて、ATMにも7~10人ぐらいが並んでいる。昼間、客がいないということはない」と普段の様子を明かす。「人の出入りも多く、駅からも近いので、まさかこんなところで事件が起きるとは思わなかった」と驚いた様子で語った。

 近くに住む40代の男性は事件発生時、同郵便局の裏手にある保育園に子どもを預けていたという。午後6時前、保育園に到着して事件を知り、「こんな身近なところで事件が起きるとは」と表情を曇らせる。男性は、「子どももまだ小さく、犯人がまだ捕まっていないので、とても心配です」と口にした。

 近くに住む70代の男性は、徒歩での帰宅途中、警察官2人が何者かを走って追いかける様子を目撃した。「警察官が郵便局の職員にどっちの方向に逃げたか聞いていた。郵便局員が慌てた様子で『そこの角を曲がった』と警察官に逃走方向を説明していた」と振り返る。

 男性は「40代ぐらいの局員の男性が救急車の中に運ばれていくところを見た。頭から血を流していて、おでこの辺りを切られた様子だった」と説明。「何があるか分からないので油断できない。戸締まりをしっかりして、不審者を見かけたら通報する」と不安そうにしていた。

 近くに住む川口市立幸並中学校に通う男子生徒(13)は午後4時前に授業を終え、部活の準備をしていたところ校内放送で事件を知り、急きょ一斉下校してきた。「こんな事件は初めて。家が郵便局からかなり近い所なので怖い」と話した。

 現場は、JR京浜東北線西川口駅から約200メートル離れた、住宅や飲食店などが立ち並ぶ地域。

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