韓国紙「中国がレアアースの輸出制限開始へ...リスト公開」「米国への対抗措置」

中国当局が核心戦略物資であるレアアースの精製・加工・利用技術を「輸出禁止および制限技術リスト」に含めたことが確認されたと韓国メディアが報じている。中国は世界のレアアース精製能力の90%以上を握っており、以前から米国への報復措置がなされるとの見方があった。

(参考記事:韓国紙「中国で日本製半導体製造装置の問い合わせ殺到…輸出規制控え」

韓国のフィナンシャルポストは17日、中国商務省ウェブサイトに「中国輸出禁止および輸出制限技術リスト」命令修正案に関する公開意見収斂通知が昨年12月30日付で掲載されていたとし、「米国の半導体などハイテク技術の輸出禁止に対抗する措置とみられる」と報じた。

同紙は今回の同リスト更新の核心はレアアース関連部分であるとし、非鉄金属製錬及び圧延加工業業でレアアースの精製・加工・利用技術のうち△レアアース抽出・分離工程技術△レアアース金属及び合金材料の生産技術△サマリウムコバルト、ネオジム鉄ホウ素・セリウム磁性体製造技術△レアアース酸素カルシウム製造技術等を規制対象に追加されたという。

ネオジム

また、輸出制限項目では△レアアース-鉄超磁性伸縮単結晶材料の製造技術△レアアース採鉱・線光・精錬技術(輸出禁止技術を除く)△レアアース抽出剤の合成工程・配合△金属材料のレアアース変性添加技術△含有されたレアアース元素の種類・含有量とレアアース元素の添加方法 △レアアース含有アルミニウム−リチウム合金製造技術 △導電用レアアースアルミニウム導体の配合及び製造工程など、レアアース関連内容が具体化された。

輸出禁止技術リストのうちサマリウムコバルトは、レアアース系元素であるサマリウムと高価な戦略資源の一つであるコバルトの合金である。ネオジムは最も広く使用されているレアアース磁石の主要原料であり、ネオジム磁石は中国生産量が85%に達する。

同紙は、中国政府はすでに先月28日までに修正案に対する意見収束過程を終えた。内部決定過程を経て公式発表や施行時期を決めるとみている。

聯合ニュースによると、中国のレアアース規制の動きを受け、韓国のレアアース関連株が急騰している。17日午前9時8分現在、韓国証券市場でユニオンマテリアルの株価は前取引日比14.31%上昇した。ユニオンマテリアルはレアアース類の代替素材として注目される「フェライトマグネット」を生産するメーカーだ。

(参考記事:「タリバンが1兆ドル規模のレアアース掌握…中国が狙ってる」米CNBC
(参考記事:韓国の対日本「素材・部品・装置」輸入依存割合が低下…国産化効果は?
(参考記事:「中国の台湾侵攻時、日本は戦闘機100機、軍艦26隻喪失」米CSIS分析

(参考記事:韓国紙「台湾政府、中国から日本に投資をシフト」「日台は歴史的に信頼関係」
(参考記事:「韓国も日本などのようにレアアースの対中依存を下げる必要がある」韓国研究機関が提言
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