V長崎、今年こそ『行くぞ!J1』 18日J2開幕 トラスタで千葉と対戦

2023年シーズンに臨むV・ファーレン長崎 (c)Jリーグ

 サッカーJ2の2023年シーズンは18日に開幕し、V・ファーレン長崎は午後2時から諫早市のトランスコスモス長崎で千葉と対戦する。昨季はリーグ屈指の破壊力が機能せず11位で涙をのんだ。悔しさを胸に掲げたスローガンは「行くぞJ1!すべてをJ1レベルへ。」。18年以来のJ1切符を、次こそつかむ。

2023 試合日程

 22クラブがホームアンドアウェー方式の計42試合を戦う。J1のクラブ数を来季から増やすため、今季はJ2から3クラブが昇格できるチャンスの年だ。上位2クラブが自動昇格し、3~6位のJ1昇格プレーオフを制した1クラブが入れ替え戦なしで昇格する。下位2クラブはJ3に自動降格する。
 ワールドカップ(W杯)や五輪がないため、連戦が少なく、近年では余裕を持った試合日程となった。11月12日までの約9カ月間、リーグ戦を行い、プレーオフに進出すれば最終戦は12月初旬となる。天皇杯は6月7日の2回戦から登場する。

 V長崎の対戦カードを見ると、早くも第3節で優勝候補筆頭との呼び声高い清水と激突する。22年W杯カタール大会で活躍したGK権田や昨季のJ1得点王チアゴサンタナらを擁している強敵で、ここでどのような試合を繰り広げるかが一つの試金石となりそう。最終盤も昨季のリーグ最少負け数だった徳島や、21年まで長きにわたってJ1で戦った仙台との試合が組まれており、順位変動の可能性を含んでいる。
 その他のライバルを見渡すと、昨季3位の岡山、4位の熊本は主力FWが流出したものの戦術が成熟している。15位だった町田は青森山田高を名門に育て上げた黒田監督を指揮官に抜てきし、大型補強も敢行。5位だった大分、6位だった山形は安定感が光る。清水以外は突出したクラブがないとみられる今季。どこが抜け出してもおかしくない。

◎今季の布陣「4-4-2」で強力ツートップ 新たなフォーメーションも

 フォーメーションは昨季のベースだった「4-4-2」または「4-2-3-1」に加えて、カリーレ監督は新たに「3-4-3」を取り入れたい意向を示している。センターラインに誰を起用するかで採用する布陣も変わってきそうだ。
 「4-4-2」の場合は強力ツートップを組める。スペイン人FWのフアンマはキープ力に加えて好機演出にも優れ、ブラジル人FWのエジガルジュニオは2年連続で2桁得点を挙げている。サイドアタッカーが攻撃に絡み、中盤はやや守備的。トップ下を置く「4-2-3-1」ならクレイソン、名倉らが起用候補に入る。

今季のV長崎

 中盤でダイヤモンド型をつくる「3-4-3」はより攻撃重視の陣形。クレイソン、大竹らを司令塔に名倉、宮城、澤田といったアタッカー陣が近い距離感で流動的に動いて守備ブロックを崩す。左右のMFは運動量が必要。鍬先らアンカーに入る選手には配球力と危機察知能力が求められ、この布陣の肝になる。
 ポジション争いはボランチに注目したい。昨季はカイオセザール、加藤大、鍬先の出場時間が長かったが、ゲームメークに課題が残ったため今季の先発の座は流動的だ。大卒ルーキーの瀬畠が加入し、放出はゼロ。残留組もアピールを続ける。
 左サイドバックは新加入の増山が存在感を高めており、パリ五輪世代の日本代表に名を連ねる加藤聖といえども安泰ではない。右は故障さえなければ主将の米田に任せるだろう。
 センターバックは長身の新戦力が並び、昨季の弱点だった空中戦の克服を期す。GKは3人いずれもチャンスあり。笠柳、安部ら10代のフィールドプレーヤーも楽しみだ。


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