TCRワールドツアー初年度のスポーティング規則が発表。全9戦で最大16台の年間エントリーに

 世界各国で展開されるTCR規定を統括するWSCグループは、2023年より新たに創設するTCRワールドツアーの初年度シーズンに向け、レースフォーマットや競技規則などの詳細を発表。全9戦で最大16台の年間エントリー登録、レース形態はイベントを開催する地元シリーズの方式を原則遵守するなどのディテールが明らかにされた。

 今季より「グローバルに開催されるTCRシリーズから、注目度の高いイベントを優先的に指定して」実施する新機軸の世界戦TCRワールドツアーだが、最大16台とされたフルシーズンエントリーの受付は2月28日に締め切られる予定で、レースごとの追加エントリー、いわゆる“ワイルドカード枠”も考慮されるものの、イベントを主催するローカルシリーズでの登録となる見込みだ。

 予選はすべてのイベントで2部構成で行われ、全ドライバーが参加する20分間のQ1セッションに続き、Q1上位12名が参加する10分間のQ2セッションが実施される。ただし、例外としてアジアでのフィナーレ(つまり、マカオでのギアレースが濃厚)のみ、そのふたつのセッションが30分と15分で実行される。

 決勝レースも併催の各シリーズでフォーマットが異なり、ヨーロッパでのイベントは55kmのヒートが2回実施され、南米でのレースは30分プラス1周のタイムレースとなる。

 さらにシーズン終盤戦の重要なラウンドを担当するオーストラリアでは、30分のレースが3ヒートで構成され、聖地マウントパノラマでのバサースト・インターナショナルでは21周レースが3回行われる。そして“TCRアジア・チャレンジ”とされたフィナーレでは55km×2戦で雌雄を決する。

TCRワールドツアー初年度のスポーティング規則が発表された
TCRサウスアメリカからは、アルゼンチン国内エル-ピナールを含む2戦が設定される

 スポーティング規則は前述のとおり、基本的には併催されるチャンピオンシップに沿ったものとされるが、ツアー登録のドライバーは併走するシリーズとは別に、独自の補償重量(コンペンセイション・ウエイト)システムの対象となる。

 これによりTCRワールドツアー登録ドライバーは、前のイベントで設定された最速の予選ラップタイムに基づいて、0〜40kgの範囲で10kg刻みのウエイト割り当てを受ける。

 予選ポールポジションには最大15点で上位6台まで、決勝での勝利には30点を加算し、こちらは上位15位にまでポイントが付与され、全9戦のチャンピオンシップを経て総合優勝を果たしたドライバーには、今季の公式タイヤサプライヤーに指名されたクムホの名を冠した“クムホTCRワールドカップ”のタイトルが与えられる。

 そのうえで、シリーズ上位15台(つまり脱落は1台)は直接的に“TCRワールドファイナル”への出場権を獲得。さらに、同じく昨季中盤にも導入がアナウンスされたTCRワールドランキングの上位45名(毎年の9月30日時点)が、プレーオフ形式で4日間にわたって開催されるTCRワールドランキング・ファイナル”での選抜を終え、15名に絞り込まれたのちに“TCRワールドファイナル”へと合流。ここで直接対決を繰り広げる30名が「世界最速のTCRドライバー」の栄誉を競うことになる。

TCRワールドランキングは、世界中で展開される40の登録シリーズから総合成績が格付けされる
シリーズ上位15台は直接的に“TCRワールドファイナル”への出場権を獲得する

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