高千穂神楽7保存会の小中高生30人 伝承者集いで披露

「八鉢」を舞い、太鼓の上で逆立ちになる飯干蔵人さん

 高千穂の夜神楽伝承協議会(後藤俊彦会長)は11日、神楽を受け継ぐ子どもたちの発表の場として「こども伝承者の集い」を高千穂町の高千穂神社神楽殿で初めて開いた。町内の神楽保存会7団体から小中高生計30人が出演し、8演目を堂々と披露。「僕たちが神楽を守っていく」と、決意を新たにした。
 このうち秋元神楽保存会は「八鉢(やつばち)」を奉納。面を着けた舞い手の飯干蔵人(くらんど)さん(13)=日之影中1年=は力強い舞を披露し、太鼓の上で逆立ちするなど技を決めるたびに、観客から大きな拍手が送られた。
 飯干さんは4歳から神楽を始め、昨年11月の秋元集落の夜神楽では6演目を舞うなど、同保存会(25人)最年少ながら欠かせない存在になっている。出番を終え、「秋元には子どもが全然いないので、神楽がなくならないか心配。かっこよくて大好きな神楽が途絶えないよう、しっかり受け継いでいきたい」と話した。
 祖父で同保存会会長の飯干金光さん(71)は、「少子高齢化で後継者育成が一番の課題になっているので、子どもたちの頼もしい姿に涙が出た。こうした発表の場があると、自信が生まれ伝承への意識も高まる。神楽を通じて村を大事にする心を育んでいってほしい」と話していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社