ソニー、PTZオートフレーミング機能搭載4K旋回型カメラ発表。詳細レポート

ソニーは2023年2月17日、PTZ オートフレーミング機能搭載4K旋回型カメラの発表会を都内で開催した。その模様をお伝えしよう。

ソニー株式会社 イメージングプロダクツ&ソリューションズ事業本部 関口浩氏

■PTZオートフレーミングカメラ SRG-A40

  • 2023年6月15日発売
  • 価格はオープン、市場想定価格は税込421,000円前後

■PTZオートフレーミングカメラ SRG-A12

  • 2023年6月15日発売
  • 価格はオープン、市場想定価格は税込355,000円前後

SRG-A40とSRG-A40は、ソニーのこれまでのカメラ性能や使い勝手の良いリモート運用性に加え、新たに開発したAIアルゴリズムを活用した「PTZオートフレーミング機能」搭載を特徴としている。

本機は4つのポイントを持つという。1つ目は、パン、チルト、ズームの3軸による自動追尾の実現。AIをカメラ本体に内蔵しており、外部PCや追加ライセンスは不要としている。

2つ目は、きめ細かいカメラアングル設定。用途に応じて、全身、上半身、クローズアップから選択可能。

3つ目は追尾性。ディープラーニング活用による内部開発AIアルゴリズムの搭載で、骨格、頭部位置、見た目特徴量の検出を組み合わせてカメラ内でリアルタイムに実行可能。また、素早い動き、横向き、非追尾被写体との交差、マスクの着用時などの多彩なシーンに対応する。

4つ目は自然で滑ら構図通りのフレーミングで、被写体の動きに合わせて最適な構図を調整しながらカメラが自動旋回する。

文教・企業領域をイメージしたデモンストレーションも行なわれた。左右方向に歩いてもしっかりと被写体をセンターに捉え続ける様子が見られた。少し早めに稼働してもセンターに被写体を撮り続けられている。また、マスクを着用しても対応可能。従来の顔検出に加えて、骨格の検出や頭の位置の検出、洋服の特徴の抽出などの情報を複合的に認識しているために実現可能としていた。

会場中央に2台のPTZカメラを設置

追尾性の高さと自然なカメラワークを実現

しゃがみ、立ち上がりのケースでも、顔の変動に敏感に反応せず、自然なフレーミングを実現していた。また、従来のカメラでは実現できていなかった、被写体に寄ったアングルにも対応。寄ったアングルは、認識するための情報量も減るが、AI開発アルゴリズムをリアルタイムに実行することで実現をしているという。

次に3名のダンサーによる簡易映像制作をイメージしたデモンストレーションも行なわれた。中央の2台のカメラで、白と緑のダンサーを追尾し、映像をモニターに表示した。ダンサーが途中で端っこに移動しても追尾し続けることが可能。再度3人が集まって踊るシーンでも近い位置で3人が同じ動きを、ダンサー同士が交差しても正確に追尾し続けていた。

中央の2台のカメラで白(Aモニター)と緑(Bモニター)のダンサーを追尾し、その映像をモニターに表示

PTZカメラのオートフレーミング機能は、サブカメラとして活用されるのではないかと予想される。そしてカメラ操作は全てAIという時代も近いうちに実現しそうだ。

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