「現金は一方的な置き逃げで、防ぎようがなかった」“被買収”現職町議 検察は罰金20万円求刑 河井克行元法務大臣夫妻の買収事件

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる裁判で、無罪を主張していた安芸太田町の現職の町議に、17日、検察側は罰金20万円を求刑しました。

起訴状によりますと、安芸太田町議会議員の 矢立孝彦 被告は、4年前の参議院選挙で 河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行 元法務大臣から現金20万円を受け取った罪に問われています。

2月3日の初公判で矢立被告は「起訴事実について誤りがあります。したがって否認し、争います」と無罪を主張していました。

17日の公判で検察側は「金を返す具体的な行動はとっておらず、克行氏との関係維持を優先して現金を受領する意思が認められることは明らか」「議長職は辞職したものの現職議員であり続けることに固執し、法遵守の意識が欠けている」などと指摘。罰金20万円を求刑し、原則通りの5年間の公民権停止を求めました。

一方、弁護側は「受け取った金は、返還するものとして保管を継続していたものに過ぎない」として、無罪を主張。

最後に矢立被告は「克行氏が持ってきた現金は一方的な置き逃げで、防ぎようがなかった」などと述べ、裁判は結審しました。

判決は3月3日に言い渡される予定です。

事件発覚後、矢立被告は現金20万円を受け取ったことを認め、議長を辞任しましたが、議員の職は任期満了まで務めました。おととし3月、町議選にあらためて立候補し、当選。去年3月、在宅起訴されました。

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