札幌にはない札幌ラーメン「どさん子」の正体とは!? さっぽろ単身日記

みなさん、札幌ラーメンの「どさん子」って知ってますか?

新潟県出身の私にとって、札幌ラーメンと言えば「どさん子」でした。

トレードマークは、くちばしがどんぶりのペリカン。

子どものころ家族でドライブがてら国道沿いにあるペリカンマークの店に行きました。注文は決まって味噌ラーメン。少し太めのストレート麺で、スープは挽き肉ともやしが入った味噌汁のような味だった記憶があります。

札幌に赴任したので本場の「どさん子」ラーメンを食べてみようとパソコンで検索。ホームページの「店舗案内」をクリックすると…

なんと、全国に百店舗ほどあるうち北海道には江別と根室の2店だけ。札幌市内には1店舗もありませんでした。

どういうこと?

これはもう直接聞くしかない。

ということで、「どさん子」ラーメンのフランチャイズ(FC)を運営するアスラポート株式会社の本社を訪ねました。

東京・日本橋にあるオフィスビル。対応してくれたのは、どさん子事業本部FC事業部長の若林さん。

忙しい中ありがとうございます。

――ズバリ聞きます。「どさん子」は本当に札幌ラーメンなのですか?

「東京・墨田区でギョーザと中華料理の店を営んでいた創業者の青池保が、百貨店の北海道物産展でたまたま見つけた札幌みそラーメンに魅せられたのが始まりです。独自に研究を重ねて1967年に両国に1号店を開きました。みそは北海道の赤味噌、麺は道産小麦を使っています」

――なるほど。東京発祥の札幌ラーメンってことですね。だから北海道には少ないんですか?

「FCなので北海道でやりたいというオーナーさんが少なかったということでしょうか。恵庭市に北海道総本店と名乗るお店もありましたが、3年前に閉店になりました」

――そうなんですね。ただ、私のような道外の人間からすると、札幌ラーメンと言えば「どさん子」という印象です。新潟でも国道を走れば必ず「どさん子」がありました。

「青池が1号店をオープンしたころ、『サッポロ一番みそラーメン』が発売されて空前の札幌みそラーメンブームが沸き起こりました。これが追い風となり、70年代には全国で1千店を超えました。『どさん娘』とか『どさん子大将』といった似たような名前の店も出現しましたので、全国どこでもある店という印象になったのかも知れません」

――1千店ってすごいですね。でもいまは「どさん子」で百店ほどですが、なぜそこまで少なくなったんですか。

「当時は店舗が地域密着型のラーメン店を目指し、本部も条件に幅を広げていました。競合他社が味の統一といったFCモデルを訴求される中で、我々が過去のブーム時にこだわり、変えていくことができなかったこともあります。それに、初代のオーナー様では70歳近くになって後継者が見つからず、お客様に惜しまれながら閉店するところも増えています」

――そうですか。確かに「どさん子」は統一感よりも個性的なお店が多かった気がします。それはそれで魅力的だったのですが。

若林さんからは復活に向けた新たなブランド戦略も聞かせていただきました。

「どさん子」で育った世代として、ぜひ札幌への逆上陸に期待しています!

最後に長年の疑問をぶつけてみました。

――札幌ラーメンなのに、なぜペリカンなんですか?

「ペリカンってくちばしをどんぶりみたいにして大量に魚を飲み込みますよね。大食漢のイメージです。だから、くちばしをラーメンどんぶりにしてお腹いっぱい食べて欲しい、という意味なんです」

あのペリカンマークを見ると、いまでもラーメンが食べたくなります。

私にとっての札幌ラーメンはやっぱり「どさん子」です。

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