スポーツ少年団駅伝 初出場で初優勝となった女子の三光かけっこ 【大分県】

第31回大分県スポーツ少年団駅伝交流大会は11日、大分市のレゾナックドーム大分と周辺コース(7区間10.3km)で行われた。同大会の開催は新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。女子は18チームが参加し、中津市の三光かけっこが初優勝した。

「1区とアンカー前の6区にエースを置いて、終盤で抜かれた場合も6区で巻き返せるようにした」と高倉由美監督。その戦略が見事にハマり、キャプテンでエースの高倉美晴(6年)が1区トップでタスキをつないだ後、一度は抜かれたものの、6区で第2エースの筒丸由菜(同)が抜き返し、最後は7区の井上樹里(同)が余裕を持って優勝のゴールテープを切った。

1区、3区、6区では区間賞も受賞。順位を逆転する走りを見せた筒丸は「プレッシャーはあったけど『私ならやれる、私がチームを優勝に導く』という強い気持ちで走った」と話し、ホッとした笑顔を見せた。1区の高倉は「最初から積極的に行けてよかった。今日走らない仲間もみんな応援してくれて、それが力になった」、3区の板清衣吹(同)は「昨年の大会(大分トヨペットカップ)は油断して区間賞を逃してしまったので、今日は取れてうれしい」と、それぞれ喜びを口にした。

3区間で区間賞を取った

三光かけっこは今大会初出場。「6年生は小さな頃から練習してきて、(出場できるメンバーがそろい)ようやく出場できるとなった時に、コロナ禍で大会が中止になった。今回は全区間6年生とし、一人も欠けることなくスタートラインに立つことを目標にした」と高倉監督が話したように、子どもたちは最初で最後の大会に誰よりも強い気持ちで臨んだ。「優勝しよう」「最後は笑い合おう」を合言葉に、全員で同じ方向を向き、楽しく、ポジティブに練習に取り組んできたという。

その思いが結実し、昨年12月の大分トヨペットカップ、今年1月の第37回中津市スポーツ少年団駅伝交流大会でそれぞれ初出場、初優勝。今大会の優勝も合わせて3冠を達成し、高倉監督は「この3冠が子どもたちにとって、この先の人生で大きな自信になってくれると思う」と目を細めた。

現在、三光かけっこには幼稚園児〜小学6年生の50人ほどが在籍。走るのを楽しみたい子どもは週2回、大会などを目指して頑張りたい子どもは週3回、練習に励んでいる。「活動を通して、何事もマイナスではなくプラスで考え、やりぬく力を身につけてほしい。例えば上り坂でも雨でも、私たちは『逆に頑張れる、ラッキー』と捉えて楽しむ。学年が上の子が下の子の面倒を見るなど、思いやりの心も育っている」(高倉監督)。創設から8年、人間力を育みながら着実に歩みを進めてきたクラブは、今、大きく飛躍しようとしている。

初出場、初優勝となった三光かけっこ

(甲斐理恵)

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