埼玉の市で初!市立小中学校、全ての児童生徒「給食費無償」に 坂戸市が23年度から 市長「子は宝」

坂戸市役所=坂戸市千代田

 埼玉県坂戸市は2023年度から、市立小中学校に在籍する全ての児童、生徒の給食費を無償にする、と発表した。15日に行った新年度当初予算案の記者会見で、明らかにした。同市は予算案に事業費計3億8461万円を盛り込む。市によると、小中学生の給食費を無償化するのは、県内の市で初めて。町村では滑川町、小鹿野町、美里町、神川町、東秩父村の4町1村で既に実施されており、行田市は中学生のみ無償としている。

 市は16年度から、第3子以降の給食費全額補助を開始。新型コロナウイルス感染拡大以降は、コロナ対応や物価高騰対策を目的とした国の地方創生臨時交付金を活用して、小中学生の給食費を期間限定で無償化した。21年度は同年12月~22年3月の4カ月間行い、22年度は9月~23年3月の7カ月間の予定で実施している。新年度は交付金が継続されるかどうかに関係なく、市独自の予算で完全無償化することを決めた。

 各校で給食を調理する自校方式の同市は現在、月額給食費が小学生4100円、中学生5千円となっている。23年度予算案では、小学校12校、中学校7校の計19校で、児童と生徒合わせて7379人を対象と見込んで事業費を計上。石川清市長は「子どもは宝。4億円近い予算を付けるのは大変だが、やるのであれば中途半端ではなく、きちんと行うべきだ。(24年度以降も)続けたい」と長期の支援策とする方針を示した。

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