「福島の記憶」衰えず 写真家の飛田晋秀さん、19日まで写真展 高田図書館市民ギャラリー

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故から間もなく12年となるのを前に、福島県三春町出身の写真家、飛田晋秀さんの写真展「福島の記憶」が18、19の両日、上越市本城町の高田図書館内市民ギャラリー(小川未明文学館)で開かれている。午前10時から午後4時30分まで。自主上映の会上越主催。

飛田さんが撮影した福島県内被災地の写真30点を展示。防護服を着たまま先祖の墓参りをする人など、今も続く原発事故の様子を伝える

 飛田さんは原発事故後、福島県内の被災地の撮影を続け、国内外で360回以上の写真展、講演会を開いている。今回は、飛田さんが選んだ5市町村の写真30点を展示。また、東日本大震災や原発事故に関連した映像も上映している。
 写真は、脱走して交配が進んだ動物や老朽化した建物、草が生えた除染土などが時の流れを感じさせる一方、依然、高いままの放射線量や震災発生時のままの街並みなど、危険性を伝えるものもあった。
 自主上映の会上越代表の貝谷伸一さんは「復興などといわれるが震災、事故はまだ終わっていない。私たちも忘れているが、その現実をあらためて見てほしい」と話した。

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